第二章
太樹は二十歳を過ぎていた。もうすっかり年甲斐もなくいい気になっていた。
街を歩く時1人前のつもりでいた。そんな頃、なぜか自信満々だった。
どこに行くときも自信をもっていた。笑顔とふとしたことで起こり出す自分に自信を身につけていた。
なぜか・・・わからないが自信がついていた。
今が考えると意味もなく。世の中を舐めていた。
ニコッと笑って会えば人は気に入ってくれると思ってくれると思っていた。それに疑問もさえない。
若い頃に一部いるはやガッテンだ。
太樹は飲み屋に向かっていた。Catsという店である。
「あっ マコトくんがきた。いらしゃい」
「玲奈 いる」
「今はショーに出てます けど」
「いいよ 待ってる」
「かしこまりました 3番テーブル お客様行きます」
「じゃねぇ」
長い廊下を歩いて煌びやかなドンドン包まれていく、音も 眩い光に包まれていく。
煌びやかな彼女が満面の笑顔になった気がした。太樹は手を上げてそこに座りこんだ。
「飲み物は?」
「ウィンスキー 水割りで」
差し出されたお絞りをとると、
「ヘルプを頼みますか?」と聞かれお願いと答えた。
「いらしゃいませ」
「新人さん」
「はい」
「そう よくくるですか」
「そんなに来ない」
「本当ですか この前も前も見ましたよ」
「それより 丁寧語使わないでいいよ」
「そう 終わりましたね」
照明が落ちた。音が消えた。
彼女 玲奈は服を着替えなくそのままショーから直に降りてきた。
「こんにちは」
「今日 どうしたの 終わってから来ればよかったのに」
「なんとなく 会いたくなって」
「そう そうなんだ」急に後ろ向いて答える玲奈にそう言った。
大きく息を吸い込む。そして一息ついてから
「ねぇ ちょっと 待ってて」こちらを向いて満面の笑顔で
「ああ・・・」
その言葉を合図に玲奈は席を後にした。
自分のコップにハンカチを巻いて手に持っている子が見えた。
「どうした?」
「御別れの挨拶」
「しゃあ またね」
「はい」
しばらくしてから玲奈が飛び込んだきた。なんて格好なんだよ。
「私服だよね」
「そうだよ いけない」
「なんだよ 怒ってのかよ」
「・・・」睨んだ瞳が涙目になっていく。
「ごめんな レイ」
「レイ じゃないよ玲奈だよ」
「俺 出るよ ラーメン屋で待ってる」
「わかった」
「すいません お愛想 悪いね」
「こちらになります わかった」
お金を預けると席を立った。「じゃあね」と言って玲奈とお別れの挨拶をした。
「トイレどこだっけ」
「すぐそっこです」
「ありがとう」
太樹はショベンが長い。キレは流石にはやかった。
少し長くした気がした。
太樹はトイレを出るとおしぼりを渡された。「ありがとう」と答える。
騒いでいる。トイレを出ると騒然としている。
「ねぇ どうかしたの?」
「いや ・・・大したことないです」
「あっ そう じゃあねぇ」
太樹は店を出るとゆっくりと歩きだす。
あっそうだ、と思い出したと違う店によって行く。
ゆっくりかけて店についた。「おっ 店にいる」
「なにやってんの」
「これ 花束を君に」
「いなかったら どうするの?」
「だって ここにいるじゃん」
「走ってきたんだよ」
「そうなんだ・・・・はい 花束」
「そうじゃない そうじゃない」
久しぶりにあったレイ(玲奈)は泣きベソになっていた。
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