5-116 世界の終わり方
「……ラファエル様!?どうしてここに!?」
『魔神のいうことを聞いてはいけません』
『お前、風の……いや、光の精霊だな?ワシと同じく特別な理を背負う存在であったな』
エレーナは、オスロガルムの説明に内心驚いていた。
確かに、今までに瘴気を消す不思議な光を扱えることは知っていた。
それは、風の力の一つによるものだと考えていた。
だからこそ、ハルナやその精霊のフウカも扱えるものだとエレーナは思っていた。
だが、四元素以外の新しい属性が加わることになるとすれば……ハルナの能力は。
しかし、エレーナはそこでその思考を止めた。
今はそんなことを考えている時ではないと、再びこの場に意識を戻した。
『初めましてかしらね……魔神オスロガルム』
『ワシはお主のことを知っておるよ……ラファエル。取り込んだいくつかの人間や精霊と呼ばれる存在を取り込んだ時に、お主という存在の情報が含まれておったので……な』
オスロガルムのその言葉は、精霊使いやその契約精霊が魔神によって取り込まれていることを表している。
ラファエルもそのことは知っていた、自分とつながりを持つ精霊たちの存在が理由もなく突然消えているのは感じ取っていた。
王国と協力しながら探っていたが、人の力ではサヤとオスロガルムという存在にはたどり着けないでいた。
大精霊や大竜神の中でもその存在は共有されておらず、ラファエルはずっとその情報を止めたままにしていた。
自分しか知らない未来の出来事、不思議な力を持つ異世界から来た二人の女性がこの世界に大きな影響をもたらす未来。
どんなことをしようとも、サヤの記憶のシナリオ通りの時間が流れていく。
それならば、その時まで不安を与えずに運命の通り進めながら待った……もう一人の女性がこの世界に降り立つその時まで。
『そう……それで、あなたはご存じ?……”この世界の終わり方”を。それに、魔神と協力して、どうしてそれを防ぐおつもりなのかしら』
『……いや?ワシは知らん……お主はそれを知っておるのか?……それよりも、なぜお主がそれを知っておる?』
『……!?』
その言葉に、ラファエルは自分の想像をしていなかった答えが返ってきたことに次の一手が変わってしまうことに一瞬驚いてしまった。
(オスロガルムが、この世界の崩壊するきっかけを知らない!?……どうして?)
そう思いつつも、ラファエルはそのことを知るきっかけとなった経緯を話した。
サヤが森の中で倒れていたところを見つけ、助けた際にその情報がラファエルの中に流れ込んできたことを説明した。
『それは、ワシの力をサヤに与えた時のことだな……では、改めて聞くぞ。世界の終わり方とやらがどのように起こるのかをな』
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