第5話

入学祝いの食事を終えて、帰宅した私たち。

風呂からあがった私はベッドで読みかけの文庫本を読んでいた。

「茅姉、もう寝てる?」

扉をノックしないで弟が部屋に入ってきてた。

「どうしたの。一緒に寝たいの、リョウ」

文庫本を閉じ、枕もとに置いて、リョウに手招きしながら言う。

「ばっバカっ、ちげえよ」

動揺するリョウ。ほんと可愛い弟だなぁ。

「今日はありがとう...茅姉。嬉しかったよ。自慢の弟って言われたのは恥ずかしかったけど、嬉しくもあった」

照れてるリョウは小さく頬を掻きながら感謝の言葉を口にする。

改めて感謝され、リョウに抱きつく。

「リョウが弟でよかった。リョウは私の自慢の可愛い弟。変わらないでね」

「ありが...とぅ、茅姉」


「茅姉、おやすみ」

リョウの優しい声が私の耳に届く。

リョウが部屋を出ていき、私だけになる。

今日はいい夢がみれそう。



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