32話:新事実 PART1
「頼む! 傘井と伊豆見!」
「マジ頼んます! 傘井っちとイズミン!」
朝のHR前。後生と頼みと言わんばかりに、夏彦と草次に両手を合わせる男が約2名。
男たちの名は、
塩屋は身長が高いし、顔立ちも整っているほうだろう。所属するバスケ部でも期待のエースと称されている。
けれど、
「ウチのバスケ部、夏休み返上なんだって! それまでに
今年こそ県予選突破を掲げているバスケ部なだけに、出会いが無いようだ。
逆瀬は少々チャラさが目立つが、今風なトレンドを取り入れた雰囲気イケメン。
けれど、
「今年の夏は、爺ちゃん家行って、畑の手伝いしなきゃダメなんよ! このままじゃ、俺の青春の1ページ、ピーマンとかトウモロコシむしるだけで終わるんよ! 野菜の詰め合わせで手を打ってくれ! スイカも持ってけ泥棒!」
チャラい男は、農家の跡取り息子。畑はド田舎にあるだけに、向こうでのボーイミーツガールなイベントは既に諦めている。
だからこそ、
「「頼む! 俺らと一緒にプールへ行ってください!」」
夏休みに入るまでに、女子との思い出を作りたい、あわよくば彼女を作りたい。
水着姿ではしゃぐ美少女たちを目に焼き付けたい。
「伊豆見が来てくれれば、クラスの女子たちも行くって言ってんだよ!」
「傘井っちが来てくれれば、冴木ちゃんも来てくれる可能性大っしょ? あのグラマラスボディを拝みたいんよ! スイカ2玉は男の浪漫!」
清々しいまでの欲望やら煩悩をさらけ出す2人に対し、リア充である草次や夏彦は手を差し伸べるのだろうか。
「やだよ」
「俺もごめん! 休日は未仔ちゃんとデートする予定だから!」
「「……」」
草次と夏彦、非リア充を一蹴。
バスケが忙しいとか、畑の収穫時とか知ったこっちゃない。
「「……リア充、嫌い」」
背を向けて歩き出す2人の背中が寂しい。
そんな様子を見ていた女子たちがキャイキャイ。
「はーい! 私たちだけでプールけってーい♪」
「クラスの男子いないし、ちょっと挑戦した水着にしよっと!」
「早速、今日水着買いに行っちゃう?」
「行こ行こ! 女子だけのプールって気兼ねしないし、それはそれで楽しんだよね~♪」
「「「「分かる~~~♪」」」」
女子会inプールが決まったことを心から喜んでいる模様。
「塩谷と逆瀬に悪いことしたかな?」と思っていた夏彦だが、どっちもどっちだったんだなと苦笑い。
「必死に頼まれるのって、結構面倒だろ?」
「あはは……。まだWデートの件、根に持ってます?」
「元から恨んではねーよ」
鼻で笑う草次は、本心から言っているのだろう。気にする素振りも見せずに、買っていたボトルコーヒーを傾ける。
飲んでいるのが普段通りのブラックなだけに、夏彦はちょっと頬を緩ませてしまう。
「何ニヤニヤしてんだよ」
「ごめんごめん。当たり前なんだけど、無理してブラックコーヒー飲んでたわけじゃないって分かったからさ」
「お前と一緒にするなよ」
「お、俺のことはいいじゃないか!」
「ははっ!」
ちょっとイジったはずが、まさかの10倍返し。
子供っぽい一面があるとはいえ、やはり自分たちよりもずっと大人びている奴なんだなと夏彦は再認識させられる。
「なぁ、草次」
「ん?」
再認識したからこそ、ようやく意を決することができる。
「Wデートのことなんだけどさ」
「却下」
「そ、そうじゃなくて!」
「じゃあ何が違うんだよ?」
「行く行かないの話じゃないってこと!」
眉根を寄せ続ける草次へと、夏彦はずっと気掛かりだった質問を問いかける。
「デートできない理由が、もっと別にあるんだよね?」
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更新が遅くなってごめんなさい!
1ヶ月も休まないとホザきつつ、長々とした休みになってしまいました(;´༎ຶ༎ຶ`)
スマヌ。
今後は定期的に投稿できますので、よろしくどうぞ!
【お知らせ】※近況ノートにも同じ内容を投稿しています。
おっぱいフレンズの皆さん、大変お待たせしました。
『おっぱい揉みたい』って叫んだら、妹の友達と付き合うことになりました。
の告知をさせていただきます。
スニーカー文庫より、2021年1月1日(金)に発売が決定!!!
イラストレーターは白クマシェイクさん!
年始と言う事もあり、少し早めに発売される書店さんもあるっぽいです。
とりま公式発売日は年始。
めで鯛っ。
書影やら店舗特典やら、まだまだ告知することはありますので、その都度ご報告させていただきますね。
早く、未仔ちゃんや琥珀たちをフレンズに見せてあげたい。
お楽しみに!!!
おっぱいフレンズは、フォロー&ブックマーク&評価よろしくどーぞ。
Twitterもやってますʅ(◔౪◔ ) ʃ
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