13話:ぱふぱふよ永遠なれ PART1

 引き続き、2人は地元へ戻るべく、駅目指して歩き続ける。

 未仔は甘えたモードを継続中。夏彦の半身のように腕や身体にぴっとり高密着したまま。

 夏彦も夏彦で、甘えん坊な未仔が可愛くて仕方ない。信号の待ち時間ともなれば、未仔の頭をごくごく自然に撫でてしまう。


 夕焼け空の下、笑顔を咲き誇らせる未仔は、何やら確信を得たらしい。


「えへへ……♪ やっぱり違うなぁ」

「??? 未仔ちゃん、何が違うの?」

「あのね。ナツ君と琥珀さんで、撫で方とか抱きしめ方とかが全然違うんだなって」

「琥珀と?」


 首を傾げる夏彦へ、未仔は言葉を続ける。


「ナツ君が私にスキンシップしてくれるときは繊細で優しいの。だからね? 私を傷付けないように接してくれてるのが、すごく分かっちゃうの」

「! ……そ、そう?」

「うん♪」


 見透かされているというか、感じ取ってくれてるというか。夏彦としては照れずにはいられない。

 絶対に有り得ないのだが、「ナツ君のスキンシップは、私を性欲のけ口に使っているのが丸分かりでエグいです」などとでも言われたら、立ち直れる自信が無かっただけに一安心である。


 彼女に褒められ、しばらくはうわついていたい夏彦だが、やはり聞いておきたい情報が1つある。

 そう、悪友について。


「琥珀のスキンシップはどんな感じなの?」

「琥珀さんはね。大胆で激しい、かな」


 それだけでは、ただただガサツな人。

 しかし、琥珀はガサツな人ではないんだと、ニッコリ笑顔で未仔は教えてくれる。


「豪快だからこそ、全力で私のことを可愛がってくれてるのがすっごく伝わってくるの」

「大胆で激しくて、全力……。アハハッ! 確かに琥珀っぽい!」


 夏彦が吹き出せば、未仔も「だよね♪」と喜びを分かち合う。

 琥珀が未仔へとスキンシップしている光景を夏彦は思い返してしまう。


 彼氏である自分が嫉妬してしまうくらい未仔を激しく抱きしめ、これでもかというくらい未仔の全身をり回す。

「未仔ちゃんにセクハラしすぎ。通報したろか」と考えていただけに、通報しないで良かったと心底思ってしまう。同時に、自分だけでなく親友のことも彼女が理解してくれていることが、夏彦としては嬉しくて堪らない。


 とはいえ、悪友のセクハラ攻撃をうらやしからんと思っている気持ちも変わらないのだが。


 邪な気持ちが、駄々洩だだもれしすぎたのかもしれない。


「私、ナツ君にだったら琥珀さんみたいに、激しくされても大丈夫だからね?」

「ふぁ!?」


 未仔は超能力者? はたまた、夏彦のことは全てお見通し?


「私を大事にしてくれるのも嬉しいけど、私としてはナツ君が満足してくれるほうが嬉しいから」

「未仔ちゃん……」


 未仔の大きくも澄んだ瞳と目が合ってしまえば、『嘘や冗談で言っているわけではない、本気ですよ』というメッセージがはっきり伝わってくる。

 未仔自身、自分でも少し攻めている発言をしていることは重々承知。けれど、大好きな彼氏の期待に応えたい気持ちのほうが大いに勝っている。

 勝っているからこそ、


「あ、あのねっ?」

「うん?」


 未仔が周囲の視線をキョロキョロと確認し始める。

 近くに人がいないことを確認し終えれば、夏彦にこっそり伝えたいことがあるのだと精一杯背伸びする。

 そして、爪先立った未仔が夏彦の耳元でコショコショと囁く。



「えっと……。ぱふぱふ? っていうことも、したかったらいいんだよ?」



「ぱ、ぱふ……っ!?」


 未仔の口から発せられる糖度たっぷりの爆弾が、夏彦の鼓膜で大爆発。

 夏彦は予想だにしていなかった。

 彼女の口から『ぱふぱふ』が聞ける日が来ることを。







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お待たせ。ぱふぱふ回へ突入。

次回から、○○な世界へ行ってえっちい展開へ……?

お楽しみにʅ(◔౪◔ ) ʃ


「ぱふぱふとは何ぞや?」というフレンズのために、

僕のTwitterにて、参考になりそうな『ぱふぱふ動画』を貼っておきまっす。

イマジネーションを高めておいて(笑)


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