14話:ぱふぱふよ永遠なれ PART2
背伸びを終えた未仔の顔を、夏彦は思わずガン見してしまう。
自分に負けないくらい顔は赤く、両手や内ももをモジモジさせたり、手入れの行き届いた三つ編みをイジイジさせたり。
やはり本気なのだろう。緊張や照れの感情に支配されているのが十二分に伝わってくるのだから。
…………。……ぱふぱふしていい……、だと……?
あまりの衝撃発言に、ド庶民な夏彦も死神代行になってしまう。
邪な妄想も頭に思い浮かんでしまう。
※ ※ ※
舞台は某RPG、ドラゴンなクエストの世界。
勇者である夏彦は、戦いで傷ついた身体を癒すべく、町にある宿屋へと足を運ぶ。
宿主から鍵を受け取り、自分の部屋でゆっくりしようと考えていると、1人の町娘に声を掛けられる。
「勇者様、勇者様っ。疲れた身体を私に癒させてください」
町一番の可愛い娘、未仔だ。
「えっ。マッサージでもしてくれるの?」
「ぱふぱふです」
「ぱふぱふ?」
「元気いっぱいになる魔法です♪」
町娘な少女が魔法を使えるわけがない。となれば、まじないやサービスの類なのだろう。
どんなサービスか分からないが、可愛い町娘が癒してくれると言っている。
断る道理など何1つない。
「じゃあ、そのぱふぱふをお願いしてもいいかな?」
「はいっ♪」
サービスしてくれる側にも拘らず、未仔は人懐っこい笑顔で快諾。
そして、夏彦の手を握り締める。
「じゃあ行きましょうか」
「? ここでしてくれるんじゃないの?」
「……勇者様以外の殿方には、見られたら恥ずかしいので……」
「み、見られたくない? ……恥ずかしい?」
余程見られたくないし、恥ずかしいことなのか。顔を赤らめる未仔は小さく頷く。
軽いサービスだと考えていた夏彦も、「ひょっとして……、ものごっついサービスなのでは……?」と生唾を飲み込んでしまう。
「勇者様、早く行きましょう。ね?」
「う、うん」
手を握られ、誘導されるがまま。未仔に連れて行かれた先は、二階にあるベッドルーム。
しかし、普通のベッドルームではない。
「こ、この部屋は……!」
その表現がピッタリな部屋だった。
ピンクの間接照明が真っ白なベッドシーツをやらしく照らし、甘ったるいアロマな香りが部屋一帯を包み込む。どこからか聞こえてくる異国テイストなBGMは、落ち着かせたいようで奮い立たせるような。寝るとか休憩の意味が異なるような。
夏彦は唖然と立ち尽くしつつ思う。
『俺のチェックインした宿屋って、…………ラブホじゃね?』と。
「勇者様、こっちこっち」
「はひっ……!」
ベッドへと腰掛ける未仔に手招きされ、ド緊張状態となった夏彦も隣へと腰下ろす。傍から見れば、性的サービス店、初来店の男。
夏彦の頭の中は、「ぱふぱふって何ぞや!?」でいっぱい。
目前の可愛いらしい町娘が、あんな事やそんな事を……? もしかして、大胆にも○○とか××とか? ○◇△×□とか!? などなど。
勇者とはいえ童貞。このまま30歳を超えると、魔法使いにジョブチェンジしてしまう存在なだけに、いっちょ前に妄想力には富んでいる。
とはいえ、期待するだけ悲しくなることも重々理解している。
世の中そんなに甘くないからこそ、「ないないない。自分の考えているような美味しい展開は起こるわけないないない……」と身構えるスタンスを選択してしまう。そっちのほうが精神的ダメージもずっと少なくて済むから。
気を引き締めるべく、夏彦は大きく深呼吸を一回、二回。
自分に言い聞かせる。『今の俺は、勇者ではなく賢者なのだ』と。
そんな賢者モードと夏彦に、未仔は愛嬌たっぷりに話しかける。
「すぐ準備しちゃいますね」
「??? 準備? 準備って何──、!? ままままま町の娘さん!?」
夏彦、賢者モード瞬殺。
それもそのはず。
自身の背中へと手を伸ばした未仔が、外したから。
ブラジャーを。
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ようこそ、ぱふぱふな世界へ。
本当に、ぱふぱふされるのか、されないのか……。
乞うご期待!
どうでもいいけど、町娘って響きだけで可愛い子を想像してしまうʅ(◔౪◔ ) ʃ
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