12話: 楽しんだもん勝ち

 その後も、夏彦と未仔は、何度リゼロしたか分からないくらい琥珀にコテンパンにされてしまう。


 すっかり日も暮れ、2人して手を繋いで帰る道中。


「未仔ちゃん、今日は色々ゴメンね」


 ゲームで惨敗してしまったこと、悪友のセクハラから守るのが遅れてしまったこと、おっぱいをガン見してしまったことなど。

“色々”と引っくるめず、1つ1つ謝るべきなのだろうが、「おっぱいガン見してすいませんでした」などと謝れる鋼のメンタルは持ち合わせておらず。


 夏彦にとっては反省の多い1日だったが、未仔としてはどうだろうか。


「ううんっ。今日も楽しかったよ?」


 彼氏LOVEな未仔が怒っているわけがない。むしろ、琥珀宅でのゲーム大会を思い出し、ニコニコしたりクスクスしたり。


「今日は惜しかったなぁ。琥珀さんにライトを当てられたときは、初めてナツ君と脱出できると思ったの。けど、あっという間にひっくり返されちゃった」


 未仔の癒され笑顔を見てしまえば、彼氏である自分に気を遣っているからではなく、本心から「楽しかった」と言ってくれていることくらい容易に分かる。

 分かるからこそ、1人で悲しい反省をするのではなく、2人で楽しい反省をすべきだと気付いてしまう。

 笑顔いっぱいの彼女に、夏彦も笑顔いっぱいで話さずにはいられない。


「めちゃくちゃ惜しかったよね! 俺さ。未仔ちゃんのライト攻撃が成功した瞬間、嬉しすぎてハイタッチ求めそうになっちゃったよ!」

「ナツ君も?」

「えっ。『も』ってことは、もしかして未仔ちゃんも?」

「えへへ……♪ 2人ともダメダメだね?」


 照れつつも短く舌を出す未仔を見てしまえば、ダメダメプレイのはずが、神プレイに早代わり。

 元から神プレイだったのだろう。ゲームは楽しんだもん勝ちなのだから。


「ダメダメなんてとんでもない! 練習の成果がバッチリ出てたし、むしろ、今日のハイライトだよ!」

「ほんと? でも、ハイライトは琥珀さんが私たちのこと一気に倒したあのシーンじゃないかな?」

「いやいやいや! 絶対未仔ちゃん! 俺の独断の偏見で未仔ちゃん!」

「えーっ! ナツ君、私のこと甘やかしすぎだよ!」

「未仔ちゃん、特大ブーメランが刺さってるよ?」

「!!!」


 大いに自覚があるらしい。夏彦の言葉に対し、未仔は大きくてまんまるな瞳を一層大きなものに。


 八つ当たり?

 否。甘える理由が欲しかっただけ。


「意地悪なナツ君には、お仕置きですっ♪」


 ニッコニコな朗らか笑顔な未仔が、『特大ブーメラン上等』と言わんばかりに夏彦を力いっぱい横から抱きしめる。

 思いもよらぬハグ攻撃。けれど、熱烈大歓迎なハグ攻撃。

 小柄な彼女が余すことなく身体を預けてくれれば、「これはお仕置きじゃなくて、ご褒美なのでは……?」と夏彦は思わざる得ない。

 同時に、負けてはいられないとバカレシぶりを披露。


「何おう! 頑張った未仔ちゃんには、ご褒美だ!」

「きゃ~~~♪」


 甘えん坊な未仔の頭を、これでもかというくらい優しく愛情たっぷりに撫で続ける。

 6回、7回と撫でれば撫でるほど、未仔猫が表情も一層にとろけていく。

 夏彦の身体へと、自身の柔らか頬っぺを何度も摺り寄せて、ごろにゃんごろにゃん。


「ナツ君、暑苦しくてゴメンね?」

「いやいやいや。どんなに暑い日でも、未仔ちゃんなら大歓迎だよ」

「そんなに甘やかしちゃったら、私、夏休みはずっとくっついちゃうよ」

「俺的には、夏休みと言わず四六時中このままでいたい!」

「えへへ……♪ お言葉に甘えちゃおっと♪」


 未仔は、より一層密着してくるのだから、甘えん坊ぶりは底知らずである。







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もうすぐ、結構なサービス回を公開予定です。

『ぱふぱふ』を知らないおっぱいフレンズは、予習しておくことを激しくオススメ。

お楽しみに(☝ ՞ਊ ՞)☝


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