6話:パイ四方固め

 完全に琥珀は開き直っている。


「ナツよ」

「へ?」

「そこまでウチのこと、脳筋やと思うならなぁ……」

「あ、あの……、琥珀、さん?」


 脳筋のオッサンであり、じゃじゃ馬娘でもある琥珀は、夏彦の背後へと回り込む。

 さらには、細くしなやかな腕が、夏彦のこめかみ部を一気に固定すると……、

 口角を上げてニタリ。


「くらえっ! これが脳筋プレイや!」

「ぐおっ!?」


 一体どこで習得したのか。プロレスの基本技、頭蓋骨固めヘッドロック発動。


「ふぬぅぅぅ~~~……!」


 腕の力を強めれば強めるほど、手繰り寄せれば手繰り寄せるほど、相手の両こめかみにギリギリと激痛が走ってしまう。

 というのが、一般的なヘッドロック。


 しかし、琥珀のヘッドロックは全くに激痛が走らない。

 締めようとする力は伝わってくる。にも拘らずノーダメージ。それどころか、力を込められれば込められるほど、ヒーリング効果まで夏彦は感じてしまうほど。


 理由は明白。

 夏彦の顔面に、琥珀のおっぱいがめり込んでいるから。

 これでもかというくらいに。


「こ、琥珀! ちょ! ちょっとタイム! 当たってるから!」

「せやろ、せやろ! 腕で圧迫するのがヘッドロックちゅう技や! めっちゃ痛いやろがい!」

「いやいやいや! 全然痛くないから!」

「何おう! 強がるなら、もっと強くしたるわ!」

「話聞いてくれません!?」


 琥珀としてはヘッドロックをかけているつもりなのだが、どこからどう見てもサービスプレイ。まさかの、ぱふぱふ再来。


 夏彦は興奮必至?

 否。興奮していたのは最初だけ。


(こ、呼吸がっ……!)


 琥珀のモンスターバスト、すなわち、キングスライム×2は、あまりにも凶悪かつ狂暴。

 琥珀の乳が己の顔面にめり込めばめり込むほど、息が苦しくなってしまう。琥珀の身体から発するシャボン系の香りが、天国へと誘おうとしてくる。

 もはやヘッドロックではなく、パイ四方固め。


「い、息できないから……っ! お前の胸で溺れふぁsdcmぁsd~~~!!!」


 夏彦は必死で琥珀の腕をタップし続けるが、琥珀は聞く耳持たず。

 拷問の水責めを彷彿とさせる、乳責めである。

 夏彦としては地獄だが、クラスの男子たちは当たり前に羨望と嫉妬の眼差し。童貞を殺す乳に憧れを抱いてしまう。


「ちくしょう! 傘井が羨ましすぎる!」

「冴木さんの胸で死ねるなら、俺は本望だわ……」

「どうしてアイツの周りの女子は、可愛いくて巨乳な女子ばかりになんだ……!」

「いいぞ冴木さん! そのまま天国から地獄へ突き落せ!」

「「「地獄! 地獄! 地獄!」」」

 などなど。学級崩壊の完成。


「朝から何やってんだか……」

「そ、草次!」「あん?」


 ギャースカ騒ぐ2人とは対照的。呆れたトーンで話しかけるのは、夏彦たちの友人、伊豆見いずみ草次そうじ


 今しがた登校してきたようで、カバンを背負ったままの草次は、挨拶代わりに大きく欠伸する。

 気だるいのか朝に弱いのか分からないが、かみ殺すことなく、堂々とあくびする姿も1枚の画になるのだから、さすがは学校でも有数のイケメンである。


 一瞬の隙に、夏彦がパイ四方固めからスルリと脱出。


「助けて草次!」「あっ! 逃げんなナツ!」


 そのまま草次の背中へと夏彦は避難成功。


「あの脳筋のオッサ――、あの関西人が殺そうとしてくる!」

「今の発言で分かったやろ草次。そいつをシバきたい理由が」

「ひぃぃぃぃ!」


 琥珀が威嚇を込めて歯をガチガチすれば、夏彦も負けじと奥歯をガタガタ。

 そんな2人に対して、草次は大きくため息付く。


「俺を巻き込むなよ……」


 ごもっともな意見である。






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乳で溺死。男の浪漫。

(☝ ՞ਊ ՞)☝


パイ四方固めを知ってるフレンズは、中々に作者のことを知ってる人間と思われい(笑)



【雑談】

未だに、なろうとカクヨムの使い方をよく分かっていません。


読者さんに、作家名から作者ページに飛べる小技を教えてもらって、「すっげ。ハンターハンターのG.I編で、呪文カードの使用しないでバインダーから外すテクニックみたい」と1人興奮したり。


「カクヨムにはフォロワーの概念あるけど、なろうには無いのか」と勝手に思い込んでいたら、逆お気に入りユーザーなるものが存在することを教えてもらったり。


もはや、機械に疎いお爺ちゃん。



おっぱいフレンズは、ブックマーク&評価&フォローよろしくどーぞ。

Twitterもやってますʅ(◔౪◔ ) ʃ

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