3話: 夏彦と琥珀は、今日も仲良し

 多くのクラスメイトたちが夏彦と未仔のイチャイチャっぷりを羨ましがる中、琥珀だけは全く意に介さず。「恋愛? 何それ美味しいの?」状態。


 それもそのはず。華の女子高生な琥珀だが、恋愛に毛ほども興味がないのだ。

 勿体ないといえば勿体ないのかもしれない。琥珀は、誰がどう見ても『美少女』という称号が相応しいから。


 性格を表すかのようなハッキリした目鼻や容姿、明るくカラーリングされたきらびやかなミディアムヘア、そこらのアイドルにも一切の引けを取らないグラビアボディ。


 ナンパスポットに琥珀を放り投げたら、チャンピオンロードで待ち構えるポケ〇ントレーナーばりに、「お茶しない?」と声を掛けられるのだろう。

 しかし、当の本人は中指を突き立て――、全スルーすること間違いなし。


 彼氏を作って放課後デートするくらいなら、お気に入りのスニーカーを手入れしたり、限定コラボのスニーカーがメルカリで売られていないかチェックしたい。

 彼氏を作って真夏の海で水着デートするくらいなら、冷房のガンガンに効いた自宅でバトロワゲーのランク上げしたり、新作ホラーゲーで納涼のうりょう体験がしたい。

 何より、彼氏とイチャイチャするくらいなら、悪友なつひこと気兼ね無く、のびのび遊びたいのだ。もしくはいじりたいのだ。


 以上、恋愛より友情、性格も趣味も男勝りなJKこそ冴木琥珀である。

 だからこそ、弁当箱にさかっている夏彦に絡むのは至極当然の行動。

 当然の行動とはいえ、無機物に発情する変態扱いされているのだから、夏彦としてはたまったもんじゃない。


「口をつつしめ琥珀っ! 断じて俺は弁当箱にさかっていたわけじゃない! 未仔ちゃんを思い出してウットリしてただけだ!」

「ムリムリムリ。言い方、オブラートに包んでるだけやん。変態が盗んだパンツあたまに被って、おもせてるのと同じやん」

「い、一緒にするなぁ!」

「大丈夫、大丈夫。優しい未仔ちゃんのことやから、ナツの歪んだ性癖も受け入れてくれるやん」

「……。お前の中の俺って一体……」


 悲観する夏彦をただただ見つめる琥珀の表情が、いつになく優しい。

 あまりの慈愛に満ち溢れた表情に、「俺が変態? いやいやいや、そんなわけがない。…………ないよね?」と自問自答サミット開催。

 脳内のプロジェクターが起動し、真っ白なスクリーンに映し出されるシーンの数々、


「おっぱい揉みたい」と高台で叫んだり、

 妹のズボンを脱がそうとしてパンツまでズラしたり、

 未仔の可愛いさに耐え切れず、ベッドで悶絶しながら枕を抱きしめたり、

 琥珀宅のタンスを開けて、パンティ&ブラを世界ふしぎ発見したり。


 極めつけは、



 愛する彼女のノーブラおっぱいを、何度も何度も揉み揉み。

 ご両親の目の前で。



 判定。

「お、俺は変態なのかもしれない……っ!」

 YES。賞金15億ベリー級の変態。


 卒倒しそうなくらい、冷や汗が滝のように流れる変態王なつひこ

 変態王とはいえ、琥珀にとって夏彦は悪友であり親友。

 親友の肩に琥珀は、そっと手を置いてくれる。


「琥珀……?」


 そして、温かい言葉をかけるのだ。

 必死に笑いを堪えつつ。


「……ぷっ、クククッ……! 変態なのかもじゃなくて、変態なんやで?」

「~~~~っ! 慰めろよチクショ――――――――――! 」

「プ――――――――――――ッ!!!」


 大赤面の変態王と、大爆笑する関西女。

 年頃の男女間のやり取りにしては、あまりにも小学生。

 しかし、性別関係なく馬鹿になれる夏彦と琥珀だからこそ、成し遂げられるやり取りとも言えるだろう。


「特別やで? そこまで慰めてほしいなら、ぱふぱふで――、「そんな慰めなら要らんわ! バーカ、バーカ、バ~~~カ!」


 あまりにもアホがすぎる2人ではあるけども。






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第2シーズンを執筆し始め、おっぱいフレンズが温かいメッセージで迎えてくれて嬉しい限りです。

「おっぱい」を挨拶代わりに使用するフレンズが多く、「ああ……。アットホーム」ってなる(笑)

ありがとおっぱい。


おっぱいフレンズは、ブックマーク&評価よろしくどーぞ。

Twitterもやってますʅ(◔౪◔ ) ʃ



【お知らせ】

書籍化記念も兼ねて、短編2作品も執筆してみました。


・構って新卒OLちゃんがヒロインの話  ←調子Eです。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054913855605


・マスク女子にひたすら萌えようという話

https://kakuyomu.jp/works/1177354054911984667


も公開しています。

どちらもよろしくどうぞ。

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