エピローグ:大切なものを掴んだ翌日

 幸か不幸か。ひっくり返った未仔父が目覚めて以降、娘のおっぱいが揉みしだかれたくだんは、一切触れてこないんだとか。

 記憶が無くなったのか、考えたくないのかは分からない。分からないが、未仔と母の間では、そっとしてあげようという結論に落ち着いたようだ。

 それが慌ただしくも一生の思い出となった前日の話。


 翌日の朝。

 夏彦はベッドで爆睡を決め込んでいた。前々日からロクに寝ていなかっただけに、圧倒的睡眠不足。

 とはいえ、本日は月曜日。今週も学校が始まってしまう。

 ラスボスを倒したところでエンドロールは流れないし、ハッピーエンドでは終われない。 

 それでも、悲観することなど何一つない。

 ハッピーは続くのだから。


「ナツ君っ」

「……ん」

「起きてっ、起きてっ」

「……んん?」

「遅刻しちゃうから。ね?」


 愛嬌たっぷりな声に誘われるまま。寝ぼけ眼を開けば、普段は見えるはずの天井が見えない。その代わり、視界いっぱいに映るのは――、


「…………。あれぇ!? 未仔ちゃん!?」

「おはよー♪」

「お、おはよう!」


 お天気お姉さん顔負け。ニッコリ笑顔な未仔が目の前に。

 起床間もなくの幸せイベントに、「もしかして、夢……?」とさえ思えてしまう。

 けれど、制服姿の少女は、どこからどう見ても大切な彼女。


「ナツ君と一緒に登校したくて、来ちゃいました」

「えっ! 事前に言ってくれてたら、俺が迎えに行ってたのに!」

「でしょ? だから内緒にしてたの」

「やられた……。そして、健気で可愛い……!」


 癒される夏彦も何のその。「ドッキリ大成功ー♪」と、未仔が夏彦へとダイビングハグ。

 豪快な行動にも拘らずノーダメージなのは、ポヨンとたわわな胸エアバックのおかげ。ダメージどころか、ヒール性能まで兼ね備えているのだから素晴らしい。


「未仔ちゃん。そんなにギュッてしちゃったら、制服シワになっちゃうよ?」

「早起きしてないナツ君が悪いんだもんっ。うりうり~♪ 早く起きないとずっと抱き着いちゃうぞ~!」

「何のこれしき! 未仔ちゃんが抱き着いてくれる限り、俺は一生動かないっ!」

「え~~。それじゃあ、お仕置きにならないよ~~」


 朝からイチャイチャ。

 はたから見れば、「2人とも一生動かなければいいのに」という意見で満場一致。

 しかし、外野が何を言おうとも、2人は愛し合い続けるだろう。

 その証拠に、甘えたな彼女は、彼氏の唇へとキスをする。

 チュッ、と不意打ちなご褒美キスに、夏彦は驚いたり、顔を赤らめたり。

 大好きな彼氏のためなら、いくらでも未仔は大胆になれる。いくらでも尽くすことができる。


「えへへ……♪ 朝から元気貰っちゃいました♪」

「~~~~っ! 未仔ちゃんが可愛いすぎて幸せすぎるっ……!」


 夏彦は改めて思う。

 平々凡々な自分でも構わない。

 おでんのハンペンだろうが、色鉛筆の白だろうが構わない。

 たった一人、自分を必要としてくれる人がいるのならと。

 未仔という存在がいるだけで、自分の世界はどうしようもなく幸せになってしまうのだから。


「夏兄とミィちゃーん。早くしないと遅刻しちゃうよー」


 階段下から新那の声が聞こえてくれば、今から学校があることを夏彦と未仔はようやく思い出す。

 さすがに、このままベッドで一生を終える気はないようで、


「未仔ちゃん、行こっか」

「うんっ♪」


 2人は仲睦まじく立ち上がる。手と手は勿論、恋人握りで。

 2人の一日が始まる。

 これからもずっと。






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【謝辞】

一部完!

本当にここまで読んでくれて、ありがとう!


書き始め当初は、短編くらいの文量を想定していたのに、今では文庫1冊分(笑)

それもこれも、おっぱいフレンズが読んでくれたり、温かいメッセージをくれたおかげ。

気持ちよく、のびのびと書くことができました。


改めて最初から読み直したのですが、夏彦&未仔のイチャイチャ具合が日に日にすごくなってるなぁと。羨ましいなぁと。最初の未仔は余所余所しくて、初々しいなぁと。

夏彦もなんやかんやで成長しててビックリ。


また、恋人同士の関係まで発展したラブコメは、今まで書いたことが無かったので、とても新鮮でした。

過去作の前髪オープンとか、おひとり様とか。「コイツとコイツがカップルになってたら、どんなデートしてたんやろ」とか考えたり。


総評、すげー楽しかった。

というわけで、新シーズンも書いていきます(☝ ՞ਊ ՞)☝



【プチ情報】

ぶっちゃけた話、結構前から書籍化のお話を数社様からいただいております。

今頃、サラッと言って申し訳ねぇです。


ありがたい話なのですが、今は保留中です。

書籍化は1つのゴールではあると思うのですが、長期的に考えてだったり、商業出版するにあたってのメリットデメリットなどをもう少し考えてから判断したいなと。


書籍化するしないかの発表は、『おっぱい揉みたい~』の新シーズン投稿時にできればと!



【今後】

おっぱい揉みたいの新シリーズは来月の6月くらいからスタートしていく予定です。

詳細な日にちは、Twitterや近況ノートでお伝えします。


より一層、イチャイチャさせたり糖度を煮詰める所存ʅ(◔౪◔ ) ʃ

「そう来たか!」と言ってもらえるよう、プロット作り頑張りまっす。


新シリーズとは別に、新作も投稿していければと!

短編か長編にするかは分かりませんが、どちらにせよ、ムラムラ――、笑ってくれるラブコメをお届けします。

ヒントは○○女子。


「お前、おっぱい以外にも、そういう女子好きなんか」とフレンズがツッコむ可能性大。



というわけで、今後もよろしくどうぞ!




おっぱいフレンズは、ブックマーク&評価よろしくどーぞ。

Twitterもやってますʅ(◔౪◔ ) ʃ

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