47話:未仔ちゃんとの甘々デート PART11

 目の前にテレビがあるにもかかわらず、夏彦と未仔は1つのスマホを共有しながら寄り添ってゲーム実況を楽しむ。


 熟考の末、夏彦が一緒に観ることにしたゲームは、オンライン対戦型のサバイバルホラーゲーム。

 未仔は怖いのか、甘えたいのか。夏彦の右手を抱き枕のように、ひっしり抱き締めつつ色々と尋ねていく。


「ナツ君、逃げてる人たちは何をしてるの?」

「これは発電機を修理してるんだ。マップにある5つの発電機を修理しないと、外に出るためのゲートを開けることができないんだよ」


「ナツ君??? 何か、ドクンドクン心臓みたいな音が――、ひゃっ……! ナ、ナツ君っ! チェーンソー持った人が走ってきたよ!」

「コイツが鬼だね。今回の実況者は逃げる側だから、この鬼に見つかったり攻撃されないように行動していくんだ」


「ナツ君っ、ナツ君っ! 実況者さんが斬られ――……」


 未仔、ナツ君祭りを絶賛開催中。

 小さく悲鳴を出したり、フムフムと何度も頷いたり、「すごいね!」と興奮したり。

『ホラー』というワードに最初は身構えていた未仔も、今では怖さと楽しさを共存させることに成功している。

 夏彦としては、ゲームよりも未仔にお熱。何ならゲーム実況より未仔実況に集中したいくらい、彼女の一喜一憂する姿に癒されてしまう。


 逃げ回っていた実況者だが、ついにダウン。地べたを這いつくばるキャラクターが鬼に担がれ、近場にあるフックへと吊るされてしまう。

 それだけに留まらず、鬼は吊るしたキャラクターを1回、2回と何度も刃物で斬りつけ続ける。


「あぁ……」と、その光景を見た夏彦が、思わず溜息を溢す。

 未仔も鬼の行為が不思議のようで、


「この鬼はどうして吊るしたキャラクターを何回も斬ってるの?」

「これはね、吊るしたプレーヤーを煽ってるんだよ」

「煽る?」

「そうそう。煽り運転みたいなもんかな」


「もっと分かりやすく言えば、そうだな……」と夏彦が1つ咳払い。

 自分を鬼役に見立てて、か弱き未仔を脅迫開始。

 気分は閣下。


「グハハハハ! お前の足がノロマだから捕まったんだぞ~! このまま蝋人形にしてやろ~か~!!!」


 思わぬ夏彦のアドリブに、未仔は小さな身体をビクッ! と大きく震わせる。

 子犬がビックリするような反応に、夏彦ご満悦。ドッキリ成功と言わんばかりにニッコリしてしまう。

 彼女の驚かせて、心トキめかしてしまうのだから、自分はS寄りの人間なのかもしれない。

 そんなことを夏彦は考えていた。


 この時までは。


「今度は私の番っ♪」

「!!!??? み、みみみみ未仔ちゃん!?」


 何ということでしょう。攻守逆転、鬼役となった未仔が、夏彦を決して逃がすものかと、これでもかというくらいに、むぎゅぅぅぅぅ~~~! と熱い抱擁攻撃。


「うりうり~♪ 皆は早く助けにこないと、ナツ君が死んじゃうぞ~♪」

「……っ!!!」


 どこでも甘えてくる未仔なだけに、今までを超える抱擁はない。

 そんな浅はかな考えを一瞬で崩壊させてしまう抱擁に、夏彦は悶絶必至。

 それくらい今現在のスキンシップが半端ない。それくらい誰も見ていない環境でのスキンシップが尋常じゃない。

 未仔の柔らかホッペがへしゃげるくらい、未仔のたゆゆんバストがへしゃげるくらい、ポタラが付いてたら未仔彦に合体するくらい。

 鬼に地獄へ落とされるというより、天使に天国へ誘われてしまう、そんな表現すら生温く感じてしまうくらいの幸福が夏彦の全身を駆け巡ってしまう。


 幸せ中毒者の夏彦、スマホの画面がうっすら視界に入り込む。

 未だに鬼がプレーヤーを斬りつけ続けている。他のプレーヤーたちは足音を殺しつつ救助のタイミングを伺っている。

 そんな光景と今現在の自分が、夏彦はシンクロしてしまったのだろう。


「皆は気にせず発電機を直してくれ……。俺は未仔ちゃんに斬られ続けたいから……」


 夏彦は気付く。

 俺はSではなく、ドMなんだと。

 未仔は天使? 小悪魔?






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煽りダメ絶対。

ゲームはマナーを守って楽しく。


イチャイチャも節度を保って。

保て。



ちなみに、今回登場するゲームは『Dead by Daylight』を参考に書いています。

ゲーム実況でも結構な数あるので、お時間あるときに是非是非。

ゴーストフェイスのひょっこりはんが好き。 [壁]д・)


【雑談】

皆さんは何か趣味はありますでしょうか。

僕は酒とテニス観戦が大好きです。腰をやらかしてから、すっかり観る専。


酒はビール、日本酒、ウイスキーが大好き。

テニス選手は、デルポ、キリオス、モンフィスがお気に入り。


キンキンに冷えたジョッキ片手に、テニスの試合を観る休日おっちゃんスタイルが楽しいのなんの。コロナの影響で、試合が延期状態で寂しいのなんの。


とにもかくにも、趣味×趣味を同時に楽しめるのって幸せ。



「お前の趣味、オッパイじゃねーのかよ」と思ったおっぱいフレンズは、ブックマーク&評価よろしくどーぞ。Twitterもやってますʅ(◔౪◔ ) ʃ

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