46話:未仔ちゃんとの甘々デート PART10

 ナッツに嫉妬すること数分。トレイにジュースや菓子を載せた未仔が戻って来る。

 夏彦は直ぐに気付いてしまう。


「!!! そ、その格好……!」


 ビックリした? と言わんばかり。テーブルへとトレイを置いた未仔が、驚く夏彦の前でさらにアピール。


「じゃーん♪」


 その場でクルッ、とターンする未仔の服装に注目。先程までのガーリーコーデとは打って変わって、ゆったりTシャツ+もこもこショートパンツの部屋着スタイル。

 ロゴの入ったTシャツは見間違うわけがない。先程の買い物で購入した、夏彦とお揃いのTシャツである。

 すなわち、今現在、夏彦と未仔はペアルック。


 試着室での出来事リターンに、ナッツに嫉妬している場合ではないと夏彦のテンションもアゲアゲ。ピッタリサイズではなく、ゆったりサイズを選んで正解だった……! と、小さくガッツポーズも出る。

『彼氏の家に突然のお泊り。着替えがないので、彼氏のTシャツ借りちゃいました』の脳内再生だけで白飯5杯はいけるレベル。


「いい! すごくいいよ!」


 夏彦が褒めちぎれば、未仔も我慢できませんと、小走り気味に大好きな彼氏の隣へと座り込む。そりゃもう、ピットリと寄り添って。

「何で未仔ちゃんは、こんなに可愛いのだろう……」とトリップ状態の夏彦に、未仔は尋ねる。


「ねぇ、ナツ君。今から何しよっか?」

「俺的には、このまま5、6時間何もしなくても大丈夫だよ……」


「本気にしちゃうよ?」とクスクス笑う未仔を見てしまえば、5、6時間どころか24時間はイケることを夏彦は確信してしまう。

 とはいえ、24時間まったりは放送事故なことも理解している。


「未仔ちゃんは何かしたいことある?」

「えっとね。ナツ君さえ良ければ、ゲーム実況を観てみたいな」

「ゲーム実況?」


 思いもしない提案に、夏彦はポカンとしてしまう。

 それもそのはず。お互いの趣味を話すことが今までに何度もあったが、『ゲーム実況』というワードは聞いたことがなかったから。むしろゲームの話をするのは自分のほう。

 だからこそ、未仔の考えていることを夏彦はおおよそ理解する。


「ナツ君、ゲームしたり観るの好きって言ってたから。私も挑戦してみたいなって」

「未仔ちゃん……!」


 ご察し通り。彼氏の趣味に歩み寄るべく、未仔はゲーム実況を所望しょもう

 相変わらずのよくできた彼女具合に、夏彦の涙腺も緩む。

 同時に、彼女とのいちゃいちゃゲームライフも想像してしまう。


 未仔とのデュオを組んでのバトロワゲー。何度も何度も挑戦してようやくチャンピオンになれれば、

「やった♪ ナツ君のおかげで初チャンピオンになれました♪ ねーねー、もう1戦! 明日はお休みだし、もっと夜更かししよ? ……ダメ?」

 と甘えられちゃったり。


 モンスターを狩るゲーム。どうしても欲しい防具があると、何体目かのモンスターを討伐し終えれば、

「やっと素材集まりました♪ えへへ……♪ これで現実世界だけじゃなくて、ゲームの世界でもお揃いの服だね?」

 とラブラブしてきたり。


 配管工のオッサンが主人公のレーシングゲーム。隣り合ってコントローラをカチャカチャすれば、

「む~~~! ナツ君に追い越された! 良いアイテム出ないかな……、♪ スター出ちゃいました♪ ナツ君に突撃~~~♪」

 と己の心に突撃されてしまったり。


 夏彦は思う。「なんだこの素晴らしき日々は……!」と。

 今現在も琥珀とゲームはしている。しかし、女の子とゲームしているという感じとは程遠い。琥珀は負けず嫌いが過ぎるから。


「こんなバレバレなとこに毒ガス置いてもしゃーないやろ! 戦争やぞ! 生半可な気持ちで参加してるんやったら国へ帰れ!」

 と罵倒されたり、


「ほーほー。2回も死んだくせに、剥ぎ取りだけはいっちょ前に早いですなぁ。将来の夢はマグロ解体士ですかな?」

 と煽られたり、


「ナツだけは1位にさせへん! くらえ! リアル赤甲羅ぁ!」

 と隣から脇腹をつねられたり。


 それはそれで楽しくはあるのだが、どこからどう見ても男友達の絡み。


 というわけで夏彦は、是非ともゲームを通して未仔とイチャイチャしたい。

 最初が肝心故、今からどんなゲーム実況を一緒に観ればいいか脳内サミット開催。

 彼女をしばし待たせて申し訳ないのだが、考える時間は時間で、幸せな時間だなぁと夏彦の口角は自然に上がってしまう。

 そんな表情を隣で見つめる未仔もしかり。






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未仔とゲーム、琥珀とゲーム、おっぱいフレンズはどっちとゲームしたい?



【雑談】

今が青春時代、昔が青春時代だったフレンズは、どんなゲームが思い出に残ってますでしょうか。

僕は1つだけ挙げるならPSP版のモンハン2ndGかなと。


購入した日を今でも覚えています。発売日が学校の教科書販売の日と被っていて、「教科書買いに行ってる場合じゃねー」と教科書そっちのけで友達2人と家電ショップに朝イチで並んでました。懐かしすぎワロータ。


部活終わりに、皆でワイワイしながらゲームするのが最高に楽しかったです。

同じタイミングで充電切れ始めるから、コンセントをローテーションで使い合うんですよね。金持ちは予備のバッテリーを持ってたり(笑)


今は友達同士集まらなくても、自分家でゲームが思う存分できるんだから便利な時代になったもんです。

10年後はどうなってんでしょうね。



おっぱいフレンズは、ブックマーク&評価よろしくどーぞ。

Twitterもやってますʅ(◔౪◔ ) ʃ

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