38話:未仔ちゃんとの甘々デート PART2

 10時に駅前集合のはずが、両者の意識が高すぎた結果、目的地に到着したのが10時ジャストという優秀っぷり。


 電車に揺られ、辿り着いた先は大型ショッピングモール。

 地方でも屈指の敷地を有し、店舗数もトップレベル。ファッションや生活雑貨、レストランやカフェ、映画館やゲームセンターなどなど。ここに来れば何不自由ない店の数々がラインアップされている。初めてのデートスポットとしては、打ってつけの場所ではなかろうか。


 2人がまず向かったのは、本棟の中層階にあるファッションフロア。

 未仔にエスコートされるがままに入ったアパレルショップは、ティーン層をターゲットにした店のようで、入っている客は若者が多く、服の値段もお手頃価格。


 とはいえ、オシャレ初心者の夏彦には、踏み込んだことのない未開の地。

 感じる必要がないアウェーさを感じまくっており、ショップ店員に「お前はオシャレレベルが足りない。田舎に帰りな」と中指を立てられるのではないかと無駄にビクビク。


 店内に貼られたPOP広告もチンプンカンプンで、

『今年もライトアウターはMA‐1がオススメ!』

『ピグメント加工 プルオーバーシャツ新色ラインアップ!!』

『一押し! シアーマキシワンピ入荷しました!!!』

 などなど。


「ガンダムとかバトロボ系の話ですか?」と首を傾げたくなるほどである。

 普段なら撤退を余儀なくされていたであろう。


 しかし、今の夏彦には未仔という彼女兼、頼れる求道者がいる。

 今も夏彦のために、どんなコーディネートにも合わせやすいようにと、カーディガンやパーカーなどをピックアップしてくれている。


「ナツ君、お着替えしよっか」

「う、うんっ」


 未だ緊張の抜けない夏彦を鏡前に立たせ、せっせと夏彦の手先、腕、肩へとカーディガンを通したり脱がしたり。また新しいパーカーやジャケットを通したり脱がしたり。

 夏彦が新しい服装になるたび、未仔の表情が明るく朗らかなものになっていく。

 しまいには、「ふふ……っ♪」と未仔は笑みをこぼす。

 決して「お前に似合うトップス、無さすぎワロタ」というわけではない。

 だからこそ、いつもの愛嬌たっぷりの笑顔で言うのだ。


「なんだか新婚さんみたいだね♪」

「!!!」


 夏彦は思わず想像してしまう。


 出勤前、スーツのジャケットを手に持った新妻の未仔が、まだまだ寝惚けまなこの自分のために、えっちらほっちらと着替えさせてくれる。


「後ろ髪はねてるから、ちょっとしゃがんで?」

 と後頭部をブラッシングしてくれたり、

「ネクタイゆがんでるよ?」

 とネクタイを整えてくれたり、

「今日もお仕事頑張ってね」

 と行ってらっしゃいのキスなんかもしてくれたり。


 仕事から帰ってきても、お帰りなさいのキス&ハグをしてくれたり。

 そして、ジャケットを脱がしてくれた未仔が、最大のご褒美を言うのだ。



「ご飯あ~んする? 一緒にお風呂入ってゴシゴシする? それとも、ラブラブ?」



「~~~~~~~っ!!!」

「ナツ君!?」

 妄想の世界から帰ってきた夏彦、顔を抑えて大悶絶。


「早く大人になりたいっ…………!」


 こんな可愛い彼女がいるのだ。アウェーさや被害妄想など感じている場合ではないとに気付いてしまう。

 自分が着せ替え人形になるだけで、ここまで喜んでくれる嫁がいるのだ。ならば喜んでリカちゃん人形にでもシルバニアファミリーの婿養子にでもなろうではないかと思えてしまう。

 夏彦の第一希望が、未仔の婿なのは言うまでもないが。


 未仔もまるで察するかのように、「今は今を楽しも?」と天使の微笑み。

 バカップル健在。






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ご飯をあーんしてくれて、風呂にも一緒に入ってくれ、ラブラブもしてくれる。

勿論、毎日。


(´༎ຶ۝༎ຶ)・∵.・∵.・∵. ・∵.・∵.・∵. ガッッッハァァーーッン!!!!




【雑談】

普段はイヤホンしながら執筆することが多いのですが、ガチ執筆のときは耳栓することが多いです。スポンジタイプの柔らかい奴。


今さっき、外したイヤホンの先っぽを無作為にイジイジしつつ、

「あっ。乳首みたい」

って思ってました。

末期。




新妻未仔ちゃんに、「ラブラブする?」と言われたいおっぱいフレンズは、ブックマーク&評価よろしくどーぞ。

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