閑話:一方その頃、未仔ちゃん ~未仔視点~
「ナツ君、何が好きかなぁ……」
スーパーに入った私は、精肉コーナーで睨めっこしていた。
お弁当のメインは、やっぱりお肉料理。
鶏肉なら唐揚げ?
豚肉なら生姜焼き?
牛肉なら時雨煮?
ナツ君が一番喜んでくれる、お弁当を作ってあげたい。
「♪」
ウキウキしちゃうな。思わず口角も上がってしまう。
ウインドウショッピングも楽しいし好きだけど、どうやら私は、大切な人の献立を考える時間のほうが好きなようだ。
嬉しくなればなるほど、「ずっと好きだった人の彼女になれたんだ」という喜びが、胸いっぱいに広がっていく。
告白したときのことを思い出してしまえば、今でもドキドキが止まらなくなる。
シンプルに、「ずっと大好きでした」って告白するつもりだったけど、勢いや焦りに身を任せすぎちゃったなと我ながら思う。
『おっぱい揉んでいいので、私と付き合ってください』
振り返ってみれば、とんでもない告白だ。
喜びから一変。ガラスに映る自分が、どうしようもなくエッチな女の子に見えてしまって恥ずかしい。
ナツ君的にはどうなんだろう。
おもむろに胸へと視線が行ってしまう。
おっぱい揉みたいって叫んでたし、やっぱりエッチな女の子のほうが好きなのかな?
揉みたいって言ってたし、やっぱりおっぱいが好きなのかな?
男の子だもん。やっぱり好きだよね。
けどだ。ナツ君は言ってくれた。揉みたい気持ちはあるけど、それ以上に私のことを傷つけたくはないって。
あのときは、本当に嬉しかった。涙さえ滲みそうになるくらい。
そんな優しいナツ君だからこそ、私としても何でも受け入れてあげたいという気持ちが強い。例えそれが、胸を揉むことでも。
ナツ君が望むなら、その先だって。
「~~~っ……! これじゃあ、私のほうが望んでるみたい……!」
覚悟の先を想像しすぎたら、顔も真っ赤になる。
1つ2つと深呼吸を繰り返し、平常心を取り戻していく。
今一番大事なことは、ナツ君に喜んでもらえるお弁当を作ること。
頬をピシャリと叩き、気合は十二分に注入する。
「うん……! 美味しいお弁当作り頑張ろう!」
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今回は閑話、ボーナス的な話を、未仔視点でお送りしました。
乙女の心情いかがだったでしょうか。
明日からはまた本編。お話の舞台は、いよいよ学校。
高校生たちの青春ラブコメなのに、19話目にして初めて学校に行くという(笑)
アノ子も再登場。お楽しみにー。
今日から学校の子や、仕事始めのリーマンさんも多かったと思います。
また、マイペースに2020年も頑張っていきまっしょい。
ブックマーク&評価ヨロシクどうぞʅ(◔౪◔ ) ʃ
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