17話:帰宅。そして、妹 PART3

 夏彦、意を決して、赤ちゃんのオムツ体勢になった新那のもとへ。

 そして、ベッドへと立て膝づく。


「ったく……。何が悲しくて妹のズボンを……」


 不満を垂らしつつ、夏彦は新那の穿いている体操ズボンへと手を伸ばす。

 実の妹だからヤラしい気持ちにはならない。

 訂正。なってはならない。


「……脱がせるぞ?」

「はいは~い」


 いざ、行かん。

 気分は爆弾処理班。

 布越しとはいえ新那の身体に触れるのは好ましくないと、細心の注意を払って、ゆっくりズボンを下ろしていく。

 気分は果樹園で働くオッチャン。

 新那のほっそりした生足を傷付けぬよう、優しく取り扱うようにソロリソロリ。


 問題はココからだ。


「っ!」


 新那のおパンティ御開帳。

 下げれば下げるほど、新那の穿いているショーツが姿を現していく。薄水色の光沢がかったシルク生地が夏彦の目に焼き付いてしまう。

 所詮は妹のパンツ。

 されど、生おパンツ。

 一切の煩悩も入れてなるものかと、夏彦必死。


(これは妹のパンツ、これは妹のパンツ、これは妹のパンツ、これは妹のパンツ、これは妹のパンツ、これは妹のパンツ、これは妹のパンツ、これは妹のパンツ、これは妹のパンツ、これは妹のパンツ、これは妹のパンツ……!)


 この時点で、もはやボロ負け。

 メンタルをへし折られそうになりつつ、ようやく夏彦は体操ズボンの摘出を完了させる。

 夏彦が脂汗を掻いているのに対し、


「きゃ~~~♪ 可愛い~~~~♪」


 一方その頃、新那さん。カワウソがビーフジャーキーを一生懸命食べている姿に悶絶中。

 バタバタと足を動かせば、剥き出しのパンツや生足がえっちらほっちら。


「悶えるな! 人の気も知らずに!」

「人の気? 夏兄は、にーなのパンツに興奮してるの?」

「!? し、しししてねーし!」


 焦り具合が童貞のソレ。

 これ以上、小娘のパンツ如きで搔き乱されるわけにはいかない。

 夏彦は、さっさと新しいショートパンツを穿いてもらおうとウエスト部分を広げる。

 しかし、


「あ。待って夏兄」

「何だよ」

「ちょっとズレたから戻してほしいの」

「? ズレてるって何が――、!!!???」


 理解できなかった夏彦も直ぐに理解してしまう。大赤面してしまう。

 それもそのはず。仰向けから、うつ伏せに戻った新那のパンツに注目してしまったから。


 そう、パンツがズレていた。


 新那の小ぶりで、ぷりんとしたお尻から、可愛い割れ目が僅かにコンニチワ。

 胸の谷間がザックリ空いているより、チラ見えしている方がエロい道理と同じ。

 いくら妹であろうと、刺激的なものは刺激的。紙耐久の夏彦に耐えられるわもなく。


「~~~~~っ! 自分で戻せよ!」

「えー。でも、カワウソちゃんが可愛いから夏兄が――、」

「動画止めろやぁ! YOUTUBEに停止ボタン付いとんの知らんのかぁぁぁ~~~!」


・規格外のマイペース

・エロへ無頓着

・兄が人畜無害だと熟知している

 以上から成り立つ、妹の離れ技である。


「夏兄はピュアだなあ」と、仕方なしにタブレットを停止させた新那は、自らの手でずり落ちていたショーツを上げる。

「コレも!」と、代えのショートパンツを夏彦が突きつけられれば、面倒そうではあるが、寝そべったままに着替えを完了させる。


「最初から自分で穿いてくれよ……」

「善処しまーす♪」


 間延びした返事&にへら~と笑っている時点で、改善の見込みは薄い。

「あ。そんなことより夏兄」

「何でお前は、一連の流れを軽く流せるんだよ……」


「ミィちゃんと付き合えるようになった?」

「………………。!!!???」


 つくづく、一連の流れに戻りたい夏彦であった。






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まさかのお尻回。

尻好きにも優しい人間でありたい。


「お尻もええやん……」と思った方は、ブックマーク&評価していただければとʅ(◔౪◔ ) ʃ


-プチ朗報-

明日か明後日くらいに、オマケ話を1話公開予定です。

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