第37話 爆破!爆破!爆破!

「こんな場所が……」


 安全が確認出来たので、ススはヒミを地下洞窟の広場へと呼んだ。

 ヒミも村の地下にこんな場所があるなんて……と驚いていた。

 中央にある石像にも目が行くのだが、それよりもこの場所の更に下に、何かがありそうだ。石像の下、何がの仕掛けで行けそうなのだが……

 この場所には明らかに人が通った使用した形跡が残されている。

 もう一度、石像の周りをよく調べてみよう。


「ヒミさん、この石像を動かしてみましょう」


「動かす……?」


「ワタシの予想が正しければ……二人でなら動かせるハズデス」


「分かった。ヒミが言うなら……」


 ススとヒミの二人は石像を押し、動かそうとする。


「「うーん!!」」


 二人は懸命に力を込めて動かそうとするが、石像は中々動いてくれない。

 何かで強固に固定されているのだろうか。なら、いっその事、光魔法で破壊してしまうのもありかと思ったが、この地下洞窟に関しては謎が多い。得策とは言えないだろう。


「そうだ、光魔法で凄い威力の魔法無かったけ?」


「うーん。あったような気もシマスガ……ちょっと思い出せないデスネ……それに、さっきの『光爆弾ライトボム』でワタシには余り魔力が残されてイマセンシ……成功するかドウカモ……」


「私、なんとなくだけど覚えてる!もしかしたら使えるかも!」


「オオ!凄いデス!」


「魔法の名前は……『光永久爆破ライトパテュアルブラスト』だっけ?」


 その瞬間だった。

 ヒミが地面に吸い寄せられるように、パタリと倒れる。と、同時に、ヒミの動きに反射するかのように、ヒミの掌から物凄い光の光線が発射され、私の目の前を一瞬で通過し、先にある石像を粉砕し、周りをも巻き込んで爆破した。


「「……」」


 目前の出来事を脳が理解する事が出来ず、ススもヒミもポカーンと口をあんぐりと開けたままだった。

「光永久爆破ライトパテュアルブラスト」を受けた石像は粉々に粉砕され、地面も大きく抉れていた。


「ハッ!ヒミさん、大丈夫デスカ!?」


 ススは倒れているヒミの元へ駆け寄る。


「うん、大丈夫。ははは……凄いね、まさかこんなに強い魔法なんて……でも、石像壊れちゃった……大丈夫かな」


「ヒミさんが無事なだけでも良かったデス。その魔法の発動条件は、使用者が名を発するだけなんでショウカ……とにかく、石像があった場所を調べてみまショウ」


 ススとヒミの二人は石像があった場所を確認する。

 石像の破片らしきものが辺りに散乱しており、地面は黒焦げになり、煙がもくもくと上がっている。

 ススが試しに地面を軽く右足で強く踏み込んでみる。

 すると、ボコっと地面が剔れる音がして、パラパラと破片が下に落ちていく。


「……!やはり、下に通路みたいなモノがアリマス!」


「本当!?早速掘ってみよみよ!」


 ススとヒミは小さく空いた穴を手で広げて、中に入れるぐらいの大きさにする。


「ヒミさんは上にいて下サイ。先程の爆発音で、誰かに聞かれた場合がアリマス。ワタシが下を確認して、安全だと判断するまで、待っていて下サイ」


「分かった」


 ススはひょいっと地面の下へ降りる。

 下はやはり通路になっていて、左右どちらへも行けそうだった。

 ススはとりあえず左へ進む事にした。

 帰ってこれればいいけど….

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