第7話デート

この前のテストの賭けの時に楓と由依を説得した時に、楓は簡単に

納得してもらったが、由依はそうではなかった。

あれやこれやと言ってみても全然ダメ。

本人に投げやり気味に「じゃあ何なら良いんだと」言ってみたら

「私とデートしてくれるなら良いわよ。私デートとかしたことないから少し興味はあるのよ」

と言ってきたのだ。少し意外だった美人で中学校の時にも多く告白受けたそうだが全部断り男たちは儚く散ってしまったのだ。

また人を寄せ付けないようなオーラが漂っており孤高という言葉がぴったりな人物である。

そう、そんなやつが俺をデートに誘ってきたのだ、それはつまりそうゆことだろうではないだろうか?

ああ自分が恐ろしい!罪深き人間でごめんなさいねー!

そんなことを考えていると携帯がな鳴った

「デートの件覚えているわよね?集合場所は10時に三上山駅前集合ね。デートプランは

あんたに全部任せるわね?楽しみにしているわよ罪深き人間さん?」

こわ!えっ、こわ!あんたエスパーかって。

しかもほとんど丸投げだし、まあ良いあいつの度肝を抜いてやる!

土曜日

俺は駅前に来ていた。しっかりと三十分前にきていた。

別にウキウキしているわけではない。

決してだ。

そう、小鳥遊爽は女経験がゼロなのである。

確かに顔はかっこよく勉強もできるのだがけいちゃん、楓、由依意外

の人間全般にはまともに話もしないのだ。

話しかられても「ああ」「うん」などの最低限の会話しかしない

しかも、女子たちに「かっこいいね」や「頭いいね」など言われたら

「そんなの当たり前だ」など「地頭が違うからな。お前らも努力してこの領域

にきてみるんだな」などと返す。

その結果「確かにイケメンだけど彼氏にはいらないタイプ」に落ち着いて

しまったの。

そのため告白はされず中学三年間は告白されず終わってしまった。

「あら、早いのね」

「由依もだろ」

由依の格好は白いトップスにスカートは丈の長いもの

を履いておりいつも下ろしている髪の毛はまとめており

春にはぴったしの格好でまさに清楚系を具現化した見た目である。

正直に言ってかなり可愛い。

会った時には皮肉の一つや二つでも言ってやろうかと思ったが

悪いところが全く無いと言っていいほど可愛かった。

「感想は?」

「まあ、お前にしては頑張ったじゃねーの?」

「そうゆことにしてあげるわね。ふふ」

あーもういちいち笑うなよお前の笑顔破壊力あるから!

「ところで俺は?」

「何が?」

「感想だよ。感想」

「爽たまーにおかしいところあるわよね」

「ほっとけ」

「そうね、全体的にバランスが取れていてとってもいいと思うわよ」

「おっ、意外と評価高いじゃん」

「ただまあ、その1999円と書いてある値札もファッションの一つかしら?」

「なっ!」

背中にはしっかりと値札がついてあった

「忘れてくれ、恥ずかしくて死にそうだ」

「善処するわ、死んでは困るだもの。それはそうと今日のデートプランは

考えてくれかしら?」

「もちろんだ、楽しみにしてくれ」

「とっても楽しみだわ」

彼女は優しく微笑んだ

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