第6話豊作

「イタ」

俺の首元にはナイフが少しだけめり込み流血はなかった。

「一体どういうことだ、由依!」

「しっかりと貴方から預かった同じ柄のナイフを使ったわよ?」

爽が言った

「由依、楓もう下がって良いぞ、お疲れだったな、なかなか良い演技だったぞ」

「爽ちゃんが褒めるなんて珍しいこともあるんだねー」

「本当、そうわよね」

「おっ、おい!待て!」

「あら、どうしたのかしら?」

「「あら、どうかしたのかしら?」じゃないだろ!?、どういうことだ説明しろ!」

「まあ、けいちゃんそうカリカリするなって早死にするだろ?」

「当て付けのつもりか?そんなのはどうでも良い、何がどうなってる!説明しろ!」

「仕方ねーなー一回しか言わないからしっかり聞いとけよ?」

「ああ」

「不審に思ったのはみんなで俺が賭けの話を持ち出したときだ。今回の賭けはテスト関係だだから俺はてっきりお前の得意教科の数学で勝負をしようと思った。

だがお前はなんて言った?」

「国語、英語、数学の合計点数だ」

「そう。全体的には俺の方が勉強できるのにだ、だからあの後楓と由依に協力を頼んだ

「今回のテストでけいちゃんと賭けをしている、だからお前らはけいちゃんの手伝いをしろ、その代わりあいつが言った

ことを俺に報告しろ」ってな」

あいつらを説得するのには時間がかかった。

そりゃそうだ。

「勉強なら、爽が負けるわけがない」だの「どうやって手伝えば良いの」だの。

しかし、今回のテストは負けることを確信していた俺はテストをどうにかするの

ではく命令をどうにかしようと路線を変更した、だから時間をかけ説得したのだ。

命令内容によってはあいつらにそれを実行させることができるからな。

まあ、あいつらへの命令内容が「爽を殺せだった」だった時はさすがに驚いたがな。

しかも「あの事件」を餌にしてだ。

「勝つ方法までは思い浮かばなったがお前がそれを全部吐いててくれたしな」

「てめーわざと泳がせたな」

「ああそうだ決定的な証拠が欲しかったからな」

「なぜだ?」

「一つの脅しだよ「僕は君の素性を知っているぞ」というね」

「それを知って何になるんだ?」

「まだ教える時期ではない」

「まあ良い。じゃああのナイフはどうゆうことだ?」

「あれはここに来る前に作っておいたお前が由依にあげたナイフそっくりのおもちゃのだ、あれを作るのに結構時間がかかっただぜ?」

「ああもう全てがバカバカしくなってきた。詰まるところ最初からお前に掌で踊らされたわけか」

「まあそうなるな」

「今回も俺の負けかよ。くそ。」

けいちゃんはまもなくして素早く立ち去ってしまった。

「本当に良かったのかしら、こんなことして」

「今回はお互い様だ。てかお前ら少しは加減をしろ加減を!本当に死ぬかと思ったじゃねーか!

大体楓は無駄に力強いし、由依は演技に拍車がかかりすぎだ!」

「あらそう?本気でこいと言ったのは爽くんよ?ねえ楓ちゃん」

「そうだよーだから全力でやったのにこの仕打ちははないよー」

「ここまですごいと思わないだろ!ふつーは!」

「これは褒め言葉として受け止めても良いのかしら?素直じゃないんだから」

「爽ちゃんが一日に二回も褒めるなんてどしたの?熱でもあるのか?」

「お前らにっとって俺は一体なんなんだよ、ああもう良い!今日は疲れた!

俺は先に帰る!またな」

「ええまた」

「バイバーイ」

今日は本当に疲れた。

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