「アクセルはあってもブレーキがないタイプね」 byマイ

「こんにちは、イケメン君。私の名前はマイよ、よろしくね」


『全世界の淑女の皆様。セキだ!ヨロ!!』


「テンションの上がり方がすごいわね。そして、自分がイケメンなのは否定も謙遜もしないのね」


『しないさ。だって、事実だし』


「うん、会って一分経たずに、私の中での貴方への認識が、イケメンから"残念な"イケメンにランクアップしたわ」


『そんなに褒められてもな。しかし、可愛いね。インタビューとかどうでもいいから、一緒にカフェに行かない?』


「呆れるくらいポジティブね。あと、あまり女性をじろじろと眺めまわすと失礼に当たるわよ?度が過ぎるようなら、私自慢のお仕置き罰ゲームを執行してあげるから」


『遊んでくれるんだ!で、具体的な方法は?』


「なるほど、そう取るのね。そうね……こちらの世界でいうのなら、ガソリンスタンドに自転車で訪問して、『ハイオク満タンで!』って叫んできてもらったり。あるいは、おまじないをかけた聖水を使って、手の指をささくれだらけにしてあげたりとかかしらね」


『え、その程度でいいの?ある意味楽しみだな』


「異世界の人相手には、この程度では生温い、と。記憶しておきましょう。まあ、お互いの性格も掴めた事だし、そろそろインタビューを始めましょうか」


『おう!俺の女性遍歴は……』


「そんな事は聞いてないわよ。まず最初の質問ね。貴方のいる世界に小説の様なタイトルを付けるとしたら、あなたはなんて名付けるのかしら?」


『カッコいい俺の英雄譚!』


「いや、そういうのはいいから真面目なのでお願い」


『可愛い女の子と俺の最強伝説!』


「三度目はないわよ?それとも、おまじないをかけて毎朝口内炎ができる体質にしてほしい?(ニッコリ)」


『口内炎程度でいいのか……え、答えろ?”ドラゴン倒したら、何故か王になっちまった規格外の男”これでいい?』


「はい、よくできました」


『褒められたついでに、あとでご飯に行かない?美味しい店あるんだ』


「うん、貴方の評価がさらに下落して、一見麺男子になったわ。一見するとイケメンなんだけど、内面は伸びた麺みたいな男の子って意味ね」


『そんなに褒められてもな。そう言えば給食にあったさ、伸びた麺、あれ、結構、美味かったよな』


「……ようやく理解したわ。どうやら互いの感性に致命的な食い違いがあったようね……。まあ、もういいわ。次に行きましょう。とりあえず、今貴方の置かれている状況を教えて頂戴」


『記憶を失くして、全裸で異世界転移』


「……で、そんな貴方の目的は?」


『全世界の女性に愛されることだ!』


「次にふざけた回答をしたら、毎日鼻毛が三センチ伸びるおまじないをかけてあげるわよ?(ニッコリ)」


『鼻毛は流石に、顔だから死活問題となるな。ドラゴン倒して、村の復興をする予定と言うことで』


「はい、素直でよろしい。あとはそうねぇ……。貴方と関わりのある人を何名か紹介してくれるかしら?」


『ヒナは俺が大好きな女性で、めちゃ可愛くってほっとけなくって結婚したい相手かな。あとは、ああ、トシとタクミって野郎もいたな野郎は野郎だな。野郎の説明いる?』


「女性と男性との説明の差が清々しいほどに露骨すぎて、逆に笑えてきたわ。笑わせてくれたご褒美に、頭を撫でてあげるわ」


『(女性なら)撫でられるのも悪くないな』


「……はい、サービスはおしまい。続きはまたいつかね」


『次回は撫で撫でよりデートをご所望しまーす!』


「うん、却下。じゃあ最後に、貴方を応援してくれる人達へ向けて、何か一言貰えるかしら?」


『俺は俺だ!!』


「貴方がそれでいいなら何も言わないけども。ともかく、今回はこれで幕引きよ。また次があれば会いましょうね」








「……私はちゃんとわかってるからね?君がただの不埒者でないって事」





彼の真価を見たい方はこちらから↓


『赤き王にて』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054921445069

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