「言動は軽薄ですけど、残念ながら根はいい人っぽいです」 byミイヤ
「さて、今回はミイヤがお送りしますよー!早速ですが、ゲストの方をお呼びしてみましょう、どーぞー!」
『どうも初めまして! ルビィって言います』
『ルビィの監視役のシィですぅ。でも居るだけでぇ、これからはもう喋りませんよぉ』
「はじめまして、おにーさん!短い時間ですが、ミイヤと仲良くしてくださいね?」
『よろしくな! ところで、ミイヤはいつも周りから可愛いって言われないか?』
「にゅ?もしかして、ミイヤの事口説こうとしてますかぁ?とりあえず、ミイヤの事を邪な視線でじろじろ眺めまわすのは減点です!ちみっこくても、レディなんですからね!」
『そうか? 可愛いとか美しいとか、隠すもんでも無いし、減るもんでもないから、見る分は別に良いだろ』
「確かに、ミイヤは小柄で童顔な割に出るところは出てるって言われますけど、それを舐め回すように見るのはどうかと思うのですよ!」
『じゃあさ、逆転の発想で見るように舐め回すってのはどうだ? ん? あ、ごめんごめん。シィが何か言いたげなので前言撤回で』
「まあ、反省してるようなのでこれくらいにしておきましょー。とりあえず、あらすじとか訊いちゃっていいですかぁ?」
『あぁ、あらすじな。まぁ、簡単に言うとネイがロックに何やかんや指図して、ロックが良く分からん内に功績を積み上げるって話だと思うぞ。合ってるよな、シィ? ……あ、喋らないんだっけ』
「ありがとですよー!で、流血描写はどこら辺を眺めれば見られますか?」
『流血?』
「もうちょっとつっこむなら、人が生きたまま脳幹を引きずり出されたり、全身穴だらけにされたりする描写は、どのあたりで読めますかぁ?」
『あぁ、そう言うことな。う~ん、そんなことあったっけ?』
「むぅ。じゃあじゃあ、長年信じていた友人に裏切られて、財産どころか妻まで奪われた男が、失意の果てに一人めそめそ泣きながら孤独死するって感じの心を抉ってくる描写なんかは――」
『それはまるで俺の親父の話だな。でもそんなのは本編には無いぞ』
「なんだ、つまんないの。ミイヤ的には、もっと刺激があるほうが良かったですよ」
『俺も刺激が有った方が良いと思――』
「いいですか、おにーさん!いつの世も、創作に求められているのはバイオレンスですよ!」
『お、おぅ……』
「あるいは、心を百回単位でへし折るレベルの残酷描写でもいいです!」
『……』
「そして、全てを読了した後。俺、このキャラクターに比べれば恵まれてるよなって悟った時、何気なく過ごしている今の日常を幸せだって思うことができるんですよ」
『ふ~む』
「これって素晴らしいと思いませんか?こういう描写を交えた創作物が世の中に氾濫したら、きっと自殺者の数だって減ると思うのですよ!自分よりもはるかに苦しい立場に追い込まれた人を傍観する事で、自分はこいつに比べれば恵まれてるなって思えるはずなんです!」
『なるほどな。でもさ、それって悲しくないか? 自分より下が居ないと自分を保てないって話だろ? 俺はどちらかと言うと上を見てそれを目指す方が好きだな。』
「にゅ~。どうやら、おにーさんとは心が通じ合わないようですね。ミイヤ、ちょっと寂しいですよ」
『会話だからダメなんじゃないか? 何かこう、間接的な会話じゃなく、直接唇と唇を引っ付け―― 痛っ! あ、今の無しな』
「というわけで、もっと描写を過激にしてください!」
『と言われてもな~』
「ほっぺにちゅーしてもだめですかぁ?」
『う~ん』
「こんなに上目遣いで頼んでもダメですかぁ?ねーねー?」
『その願いはかなえてやりたいけど、そもそも俺は書き手じゃないしな。それでも良いって言うなら、上目遣いに加えて、両腕を寄せて胸を強調させなが――、 痛っ! 今のも無しで』
「むぅ。じゃあ、話題を変えましょうか。主要な登場人物について、語ってもらえますか?とりあえず、主人公兼あなたの友人である彼からどうぞ」
『あぁ、ロックな。あいつはシィと俺の幼馴染なんだ。小さい頃は俺たちのリーダーみたいな存在だったんだけど、警備隊に入隊することを決心した頃からあいつらしくなくなったんだ。なんかさ、目標を見誤ってると言うか、自信を無くしてると言うか……』
「で、あなたは善良な友人のフリをして、いつかは彼を踏み台にするための裏工作に余念がないというわけですね!」
『そうそう。俺は小さい頃からロックの様になりたかったんだ。だから冒険者になって力を付けたらロックに自慢してやろうと思ってたんだ。だけど、必殺技ってなかなか身に付かないのな。あ、これはロックには秘密だぜ』
「にゅー。ミイヤが期待してるのはそういうのじゃないんですが……。あ、そっか!まだ陰謀を明らかにするわけにはいかないですよね!これは、ミイヤがうっかりしてました」
『ははは。いっそ、うっかりした流れで俺と付き合っちゃうとか―― 痛っ! あ、今の無しな』
「どうぞ、存分に裏で暗躍してくださいです!」
『表でも活躍するぜ!』
「じゃあ、次はヒロインについて解説してくださいまし!」
『ヒロイン? え~っと、ネイで良いんだっけ? いつも上から目線でロックを尻に敷いているよな。なぁシィ、ネイって幾つだっけ? 知らない? だよな~。年齢の話をすると睨むしな。何か昔は色々な事をやってたみたいだぜ? 今はそれを隠してる様な節もあるけどな』
「ふむふむ。きっと、あまりにも裏の世界でヤバい事をやりすぎたせいで、元の住処にいられなくなったんでしょうね。それで、善良な心に漬け込んで、主人公の元へ転がり込んだと」
『確かにネイはロックのところに転がり込んで、いつの間にか居付いてるな。他にもいろいろ変なヤツらがロックのところに集まって来てるよな。まぁ、その中に俺も含まれているけど、俺は変なヤツじゃ無いぞ。ん? あぁ、シィも変なヤツじゃ無いらしい』
「じゃあ、そういうことにしておきましょう!あと、物語を彩る他の人達についても語っちゃってくださいな」
『変なヤツらの事だな? 黒猫のゼロ、男嫌いの商人ロクシー、働かない魔法使いキャスティ、妄想癖の自称転生者デルファ、矯正された戦闘狂いのフェルミ、などなど。あとフォトラは普通だから省略な。あ! 忘れちゃいけない牝牛のナンディが居た! 可愛いんだよな~、あのつぶらな瞳。じっと見つめていると吸い込まれる感じがするんだ。何時間でも見てられるぜ?』
「ふふっ。それらの人間関係がどんな惨劇をもたらすことになるのか、とっても楽しみですね」
『惨劇ってなんだ?』
「ああ、なるほどぉ。それも秘密なんですね!じゃあ、作品の見所とか教えてくださいな?」
『お前、フェルミとロクシーとデルファを掛けてマイナス五で割った様な性格だな。あ、今のセリフは言ってみたかっただけで、俺も意味は良く分からないぞ。そうそう、見所な。俺が活躍するところって、……どこだっけ? あ! あれだ、中型妖魔の強烈な一撃を、皆を守るために俺が盾で受け止めるってところ』
「で、どこでどんでん返しが起こって、打って変わって陰惨な殺戮劇が繰り広げられるんですか?」
『それはだな、盾役のはずの俺がそこから一気逆転の必殺技を披露するんだ。聖なる光の巨大な大剣を左腕の盾から出現させ、妖魔を一刀両断で薙ぐ!』
「やっぱり、ミイヤが期待してる回答とは違うのですよ。でもまあ、悲劇が幕を開けるってわかってるというのも興ざめですね!」
『ちなみに今のも、そうなったら良いなと思って言ってみただけだぞ?』
「そうなのですね!それじゃあ最後に!これを見ている読者の皆様に一言お願いするのですよ!」
『俺に興味がある女性からの応援を待ってるぜ。特に俺と付き合っても良いって人から―― 痛! あ、今のは無しで』
「ありがとーございますですよ!それではこれにて終了でーす。また次でお会いしましょー」
「ところでおにーさん。これ、ミイヤからのお土産ですよ」
『お、サンキュー! 早速つけても良いか?』
「綺麗でしょ?この指輪は、指にはめた人物をもれなく陰惨な殺し方を特徴とする快楽殺人鬼に変貌させるという呪いがかかっていて――」
『う、うおおおおおおおおおぉぉぉぉ。
……なんてな。俺ってさ、いちおう能力者なんだぜ。特にこの手のヤツを無効化できるんだ。ネタバレだけどな』
「にゅー。おにーさんはつくづく、一筋縄ではいかない人ですねぇ」
ミイヤが期待するようなことは起こりませんのであしからず↓
誰か私をお宅に住まわせてください(だれすま)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます