「兄がそんなに好きかああああああああああああああああっ!!」 byレックス

「えっと、レックスです。今回のゲストが可愛い女の子と聞いて、インタビュアーを買って出ました!よろしくっす!じゃあまずは、そのゲストからご紹介しましょう、自己紹介どうぞ!」


『はい!身長165センチのEカップです!』


「なるほど、身長165センチのEカップちゃんね……って、それ名前じゃないよね!?しかしまあ、話に聞いていた通りの抜群のルックス!男ウケ間違いなし!学校でもさぞかしモテるのでは?」


『……え、名前必要なんですか?片桐咲季かたぎりさき、高校三年生でーす!親しみやすい美少女で売り出してるのでけっこー告られてます!バスケ部の佐藤君が一番の大物でした!けどあの人意外と粘着質でね、断ったのに何度も何度も教室やって来て…あ、ただの愚痴になりそう。ごめんなさい』


「よし、そいつは後で俺が私刑に処しておくから安心したまえ。とりあえず、全身の毛をピンセットで抜いてやるとしよう。さて、色々と個人的にも聞きたい所ではあるけど、まずはタイトルを紹介してもらおうか。簡単なあらすじも付けていいよ。R指定にひっかからないよう配慮は宜しく」


『えっとね、「妹に迫られるお兄ちゃんの話」ってタイトルみたいです。んーっとぉ……なになに?「ある日主人公の片桐秋春かたぎりあきはるが妹の片桐咲季に告白される事から始まるラブコメ(?)。深刻な事情から妹の告白を無下にできな……深刻な咲季ちゃん大しゅきマンのお兄ちゃんが私の告白に狂喜乱舞し即OKで付き合ってキャッキャウフフするのだが、お兄ちゃんやその周囲で渦巻く呪いのような闇が段々と浮き彫りになっていって…。だけど愛さえあれば関係ないよね!」……という感じの内容みたいです』


「はい、ありがとう!……と言いたいところだけど、あらすじにものすごく主観が入ってない?なんか、あらかじめ聞いていた内容とものすごく乖離してるんだけども、オレの気のせい!?おかげで、シリアスな部分が全く頭に入ってこなかったんだけど!!」


『そうかなぁ?シリアスシリアス…あ、お兄ちゃんね、めちゃんこプリテーな妹に誕生日プレゼントの一つも買ってくれた事無いんですよ酷くないですか?これ深刻な問題だと思うんですよね』


「うん、それをシリアスと言うあたり、完全にお兄ちゃんにぞっこんなのはわかった。そして、オレの一目惚れが決して実らない事も」


『一目惚…えっ、あ、はい。ありがとうございます。えと、レックスさんにもいい所あると思いますよ。なんか…うん。そこはかとなく何かありますよね。…あっ、目元とかお兄ちゃんに似て……いや、お兄ちゃんの方がもっと可愛いな…。雰囲気…いや、あの絶妙なツンデレ感はお兄ちゃんにしか…』


「慰めの言葉かと思いきや、追加で惚気ますか!?そろそろ目から血涙が流れそうなんですけど!」


『お兄ちゃんを知ればもうちょっと男の子に磨きがかかるかも知れないですね。はいこれ、秋春寝顔画像コレクションいります?』


「よし、いらない!……これはだめだ。付け入るスキが見当たらない。完全に彼女の心は兄に占有されている」


『えへへ、「兄に占有されている」っていいね。響きが興奮するねえへへ』


「予想外の喰いつき!?何この子!?じゃあ、その兄ラヴのきっかけについて端的に語ってくれる?」


『母の子宮から這い出てその眼を見た瞬間、私は恋に落ちた』


「あ、はい……としか言えんわこれ。これが写真付きのインタビュー記事とかだったら、全国の男子諸君が彼女の兄に嫉妬の感情を向けたんだろうなぁ。兄の癖にこんな美少女のハートを独占しやがってと」


『あはは、えっと真面目に言うと、きっかけは多分、私を恨まないでいてくれた事…だと思います。詳しくはペラペラ喋っていい事じゃないので割愛しますね』


「よしわかった。その痛ましい表情は見たくないから、とりあえず話題を変えようか」


『……ごめんなさい、なんか暗くなっちゃいました……?……えっとぉ……お兄ちゃんのヌード写真でも見ます?お風呂上がりの盗撮なんですけど』


「まだ兄のこと語り足りないの!?ていうか、盗撮!?何やってんの!?そしてなぜそれを俺に勧める!?男の裸体に興味はねえよ!?ていうか、そろそろ心の耐久値が限界なんで、もう勘弁してください。それより、学校の話とかしよ?ね?」


『学校は今は行けてないのでなんとも……』


「うん、無思慮に話題を振ってすみませんでした。じゃあ、友達の話とか聞かせてよ」


『いっぱいいますけど、親友って呼べるのはマイマイって女の子と凛って女の子です。マイマイはちっちゃくて小動物みたいな可愛い系。けど基本口悪いです。凛はやる気なさそうな雰囲気だけど、すごく周りを見てる聡い系。けどオシャレ面倒とか言って髪ボッサボサです。どっちも仲間想いの良い奴ですよー』


「なんだ、ちゃんといい友達いるみたいじゃん。兄しか目に映っていないのかと思って、ちょっと心配したわ」


『何言ってるんですか、男性としてはお兄ちゃんしか見てませんから!』


「そういうのはおなかいっぱいです。モウヤメテクダサイ」


『そんな事言わないで下さいよ〜。お兄ちゃんの事気兼ねなく語れるのここだけなんですよぉ〜!あ、この写真とかレアですよお兄ちゃんのうなじ!じゃーん!もう興奮しちゃうよね、ね!ベッドに潜り込んで盗撮したんだけどね、興奮しちゃってもう、うなじあむあむしたよね!そしたら「んっ…」て可愛い声上げ…』


「うあぁぁぁぁっ!ていうか、また盗撮かよ!?苦労してそうだな、兄!!なんか、嫉妬以上に同情するわ!ああくそっ、次!別の話題行くぞ!そうだ!兄以外の家族について語ってくれ」


『へ、お兄ちゃん以外?…うーんと、お父さんは私に優しいけど、お兄ちゃんにはちょっと冷たい人です。お母さんは…色々あって、今ちょっと精神的に参ってるみたいですね、ほとんど顔を合わせてないです。あと、家族っていうか、幼馴染の結愛ちゃんって超絶美人もいるんですけど、お兄ちゃんは凄い嫌ってます。なんでかは分からないんですけど…』


「また急なシリアス!そして、めっちゃ気になる内容!そして、話題の躁鬱が激しすぎて、そろそろ心がついて行かないんだが!?」


『まあまあ落ち着いてください。ほら、私が勝手に録音したお兄ちゃんお気に入りボイスでも聴いて『悩みあるなら聞くぞ』『大丈夫か?』一緒に頑張りましょ?』


「…………………………。よし、もうこのまま締めに行こう。そうしよう。でないと、オレの心が捩じ切れそうだし。最後に、作品のアピールなりなんなり語っちゃってどうぞ!」


『コメディ×ダークな「妹に迫られるお兄ちゃんの話」良かったら読んで下さいねっ!あとレックスさんごめんなさいお兄ちゃんが好きじゃ無かったとしてもタイプじゃないのでそもそも無理ですー!』


「よぉし!これにて今日のインタビュー終了!閉店!いざさらば!にゃああああああああああああっ!!ちくしょおおおおおおおおおおおおおおっ!!」






こんな妹をもったお兄ちゃんの行き着く先を見届けたい方はこちらへ↓


妹に迫られるお兄ちゃんの話

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889602154

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