第59話
学校からの帰路の途中である。彼岸花が咲いていた。夏が終わり秋本番なのに季節外れである。山茶花と間違えそうである。しかし、そこまで寒くはない。彼岸花と山茶花の見分けがつかないのも問題である。わたしは彼岸花の赤い花びらを蹴っ飛ばしたくなる。淑女のする事ではないと自制するのであった。
さて、帰るか……。
帰路の途中であった。お屋敷に着くと夏にアイスティーを頼む。今年はまだまだ暑いのであった。わたしはシャワーを浴びて汗を流す。シャンプーの爽やかな香りに包まれてベッドに横になると。あぁ、髪を乾かさないと……。紅色の髪にドライヤーの風をあてる。
「恋菜様、アイスティーをお待ちしました」
わたしが鏡に向かいドライヤーを髪にあてていると夏が入ってくる。
「ありがとう、そこに置いて」
「はい、わかりました」
そうだ、夏は彼岸花を蹴りたくなった事がないか聞いてみる。わたしの問いに夏は苦笑いをする。普通は無いよな。でも、おもいっきり蹴っ飛ばしたら、綺麗に花びらが散るだろうと思う。花は儚くてはいけないのである。SNSにアップしたら炎上しそうな動画が取れそうなのに……。
わたしは淑女なので諦める。それから、髪も乾いたし、アイスティーを飲む。疲れているのか眠くなる。ベッドに横になると、仮眠をしるのであった。
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