第38話
わたしはグループワークなる授業を受けていた。庶民の高校なのでコミュニケーションを大切にするらしい。先日までいたお嬢さま高校では進学コースとエスカレーターの選択があったなと思い出す。突然、リーダー格の生徒が外で活動したい言い出すのであった。天気は曇り雨が降りそうである。
「評価は厳しい環境でグループワークをおこなった方が高いよ」
わたしにしてみれば、ただのバカである。
「ねえ、賭けをしない?時間内に雨が降り出したら、あなたの勝ち。雨が降らなかったたら、わたしの勝ち」
「お、お、いいだろう」
校内で賭博は問題になるので物は動かさない事にした。賭けるのはプライドにした。リーダー格の生徒と共に皆で外に出る。そもそも、このグループワークは課題を自分たちで見つけて提出するのだ。
「よし、課題は裏庭に生えている雑草の種類を数えよう」
リーダー格の生徒が言う。小学生かと思うほど、バカである。ま、庶民の高校である問題なかろう。それから、終了15分前である。雨は降らないでいた。リーダー格の生徒はソワソワし始める。課題も終わり、皆が教室に戻る準備を始める。5分前になった。
「ふん、プライドなど邪魔なだけだ」
リーダー格の生徒は負けを認める。態度ではプライドが無くなった様子はない。
どうでもいいので無視して教室に戻る。グループワークの結果の提出者はリーダー格の生徒ではなかった。
「お前、魔女の様に残酷だな」
そう、もう、リーダー格ではなかった。魔女の称号はわたしにとっては誉め言葉だ。さて、授業も終わった。わたしは彼の近づき……。
「魔女と認める人が増えたわ」
彼は戸惑っていたが、それでも満足であった。
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