第39話
わたしは休み時間に外のベンチに座り空を眺めていた。これと言ってする事がない。小鳥の声を聞いていると眠くなる。
ぷーぱー……。
吹奏楽部が練習している。基礎の音出しからだ。わたしの所属している園芸部はぬるいので活動は不定期である。眠いな……ベンチに横になると青空が一望できる。むむ、授業の時間だ。このまま寝ているかと思うのであった。
「おい、授業が始まるぞ」
体育の教師が声をかけてくる。
「今、眠い……」
「暇そうだな、一緒にプロテイン飲むか?」
ま、ありえない展開だよな。体育教師だし良いのか。一緒に体育教官室に向かう。体育教官室に入ると水で溶かしたプロテインが出てくる。本当に飲むのか?飲むのか?気付いた時には飲んでいた。まあまあの味だな。飲み終わるとダンベルが出てくる。
「本当はトレーニングの後でプロテインは飲むのだが、まあいい、一緒にトレーニングだ」
やはり、知らない人に付いて行ってはいけない教訓だ。それからトレーニングをさせられて、くたくたになって体育教官室から出る。ホント、わたしはかよわいのにとブツブツ言いながら教室に戻る。今日の授業は終わっていて生徒の半分は帰っていた。
「あ、ぁ、あの~」
彼が何か言いたそうである。
「何処に行っていたのかな?」
「竜宮城よ」
「それで、老け込んでいるのですね」
はい?老け込んでいる?その後で彼の受けた言葉の暴力は凄まじいものであった。
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