第12話
彼が学校を休んだ日の事である。わたしは学校の帰り道で過呼吸に襲われる。
ただ苦しいだけの毎日にうんざりであった。自宅より高校からの距離の方が近い。しかし、わたしは帰路につく。保健室など信用できないと思うのであった。それから、わたしは夏に電話していた。
……でない。自力で帰れか……。
数分間のはずなのに過呼吸で長く感じた時間が過ぎ。症状が収まるのであった。わたしは自力で歩き出してお屋敷に着く。夏が出迎えてくれた。
「夏、何故電話に出なかったの?」
「過呼吸でしょうか?非力なわたしに手伝う事は難しいです」
確かに合理的だ。小さな体の夏に歩くのを手伝ってと言うのがおかしい。わたしは顔を洗い落ち着きを取り戻す。濡れた顔を拭く頃には夏はお屋敷の奥に行っていた。わたしは昨日、買ったチョコレートを食べる事にした。甘さが口に広がり眠気を誘う。わたしは少し仮眠する事にした。リビングのソファーに深く腰かける。気がつくと姉が横に座っていた。
「恋菜さん、お疲れのようね」
「えぇ」
健康な姉には分からない事であった。姉の愛菜は返事を確認すると立ち上がり席を離れる。ボーっと天井を眺めていると、夏がやってくる。
「恋菜様、夕食の準備ができました」
わたしは重い体を持ち上げて広いテーブルに座る。こんな毎日は嫌だ……。わたしはデザートのオレンジゼリーから食べ始める。こんな物しか食べるきがしなかった。
「ポテトサラダはお嫌いでしたか?」
今日の夕食はアジフライとワカメのスープにニンジンとジャガイモのポテトサラダであった。
「食欲がないの……」
それが今日、最後の話した言葉であった。わたしは姉が席を立つの待ってから、自室に戻り眠りにつくのであった。
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