第10話
わたしは夢から覚めると。まだ、外は暗く、庭先に出ると三日月が輝いていたしかし、わたしは乱視の世界である。簡単に言えば三日月が三つに見える。自室から普段かけない眼鏡をかけて三日月を見直す。心が統一した感じであった。彼の前のわたしに夏の前のわたし、そして姉の前のわたし……。
でも、きっと、眼鏡かけても同じわたしではない。そう、統一されたのは三日月の前のわたしであった。三日月はわたしを素直にしてくれた。
『誰からも嫌われたくない』
最近の思う気持ちであった。わたしは眼鏡を取り、秋風を感じていた。
うん?
キッチンの電灯がつく、夏が起きたらしい。わたしは自室に戻り眠い目をこする。紅茶が飲みたい……。キッチンに行き夏に頼むのであった。それから、ストロベリーのアイスも食べたいと言う。自室に戻ると昨日受けた数学の小テストを見直す。簡単な問題だが間違えている。わたしは少し数学の勉強をするとノックの音と共に夏が紅茶を運んでくる。
「恋菜様、朝早くから勉強ですか……」
「えぇ、テストの点が悪かったの」
「無理をなさらずに……」
夏は紅茶とストロベリーのアイスを置いて部屋を出る。わたしは紅茶を一口飲むとアイスを食べ始める。
あ……。
紅茶がいつもよりも濃いのであった。ストロベリーのアイスとよく合う。わたしは食べ終わると、ベッドに横になり右腕を額にあてる。明るくなり始めた外の光が眩しかった。しばらく、安静にしていると目覚ましのアラームが鳴る。
起きる時間か……。
朝食は姉とは時間をずらしている。でも、家の決まりで夕食は一緒でないとダメなのだ。
憂鬱だ……。
それでも、わたしは起き上がり、朝の支度を始めのであった。
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