世界に一つだけの歯車

 人は歯車に似ている・・・なんて言ったらクレームがくるかな(笑)。機械の部品みたいに固定されて使い捨てられる、そういう意味での歯車ではないんですよ。



 世界に一つだけの花という歌がありますが、人は世界に一つだけの歯車みたいだなって思ったんです。



 サイズはまちまち、大きい歯車や小さい物、中くらいのもある。

 歯の作りも細かい物もあれば粗い物や幅のある物、角張った歯があるかと思えば尖ったものありと様々。それぞれの歯が噛み合ってお互いに力を伝えあって生きている。


 沢山の歯車と接している人もいるし、一つか二つの歯車としか接してない人もいる。


 機械の部品みたいに固定されていなくて、互いに回転しながら少しずつ位置を変えて接する相手が変わったりしながら回り続けてる。


 沢山の歯車と接しているけど常に同じ歯車と接している人もいれば、周りの歯車が入れ替わり立ち替わりしている人もいる。少しずつ移動して相手が変わることもあれば、自らガンガン回ってクルクル移動して歯車の間をこまネズミの様に縦横無尽に動く歯車の人もいる。



 色んな歯車があるから、歯が噛み合って力がスムーズに伝わり心地いい歯車と出会うこともある。そうかと思うと、噛み合わせが悪くて力がうまく伝わらず歯がゆい歯車と出会うこともあるね。


 ぎりぎりガリガリ音を立てて居心地の悪い相手かもしれないけど、お互いに削れ合って良い組み合わせになることがある。歯の形が変わると噛み合わせの良い相手の幅が広がることもあるから面白い。新しい自分を発見したような気がする。


 だからといって、自分好みに相手を削ろうとするのはちょっと・・・どうかな?

 むむむ?



 なんだかんだ言っていますが、誰かと常に歯を合わせているのが人間。



 私は孤独に生きている。

 今日も誰とも話をしなかった。



 そう言う人でも電気や水道の水を使い買い物に行く、直接人の存在は感じないけれど電気も水道の水も人の関わりなくして私達の手元には届かない。


 店頭に並ぶ品物は店員さんが届いたケースから取り出して並べてくれているし、発注してくれた人が居て運送してくれた人がいる。運送する車も誰かが作りガソリンも運ばれてきている。もちろん道路も誰かの手を借りて作られているよね。


 洋服や食べ物も、それぞれの行程で色々な人が関わっている。


 日常で直接関わる人だけが自分に接する歯車じゃないんだなぁって思ったりします。名前を知られる程凄いことをしていなくても皆大切な歯車だよ。


 自分じゃなくても出来ること、誰でも出来る事をしているかもしれない。けれどその瞬間、そこにいるのは自分。その時その場所で必要とされているのは誰でもなくあなた。


 今この瞬間、この文章を読んでいる方。私と貴方も直接ではないけれど今歯車が接していますね。


 私からは見えないし、読んでいる方が誰なのかも私には分からない。だけどあなたは今、この文章を介して私と接してるんですよ。アクセス数「1」というただの数字に置き換わっているけれど、見知らぬあなたに感謝です。


 貴方は大切な読み手の1人。例え通りすがりでも袖すり合うも他生の縁と言いますし、これこそ歯車がふれあった瞬間☆


 もちろん、街ですれ違ってもお互い気づけないけどね。


 何気なく目に止めてなんとなーく読んだ、ただそれだけで書き手の気持ちを上げてるって・・・感じないですよね。だけど、その何気ない行動が相手に伝わったってる。貴方は作者が心ときめかせて喜んでいるだなんて思ってないかもしれないけれど、貴方の歯車はちゃんと力を伝えています。


 どこかの誰かから誰かへ巡り巡って力は受け渡されていく。

 貴方の伝えた力は私から誰へと受け渡されていくんでしょう。ぐるっと巡って力が伝って自分へ帰ってくるかもしれませんね。


 貴方の何気ない行動が誰かを勇気づけたかもしれません。


 生き生きと回転する歯車で居てください。動き回る沢山の歯車の中で自分を見失うこともあるかもしれませんが、その時は自分を抱きしめてみて。貴方はそこにいます。


 また、歯車が合うことを願ってます。では、また♪


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