26  -魔法少女の出自- 


 ……明悟と結良は屋敷の中へ戻った。結良は一時取り乱したようだったが今は落ち着いた様で、若干険し気だが、気はしっかり持っているようだ。明悟は改めて、シフト・ファイターについての情報交換を申し出て、結良は澱み無くそれを受け入れた。そして会話を録音させて欲しいという要望にも「公開しないなら」という条件の元、許可を貰った。

 重複するようだが、明悟は改めて昨日の二人組の事と、結良がドッペルゲンガーに能力を奪われた(らしい)事、そして変身用のコンパクトを手に入れた経緯について尋ねた。無論、『薙乃に最低限訊かされていたが大部分は今始めて耳にした』風を装いながら。

 そして話は薙乃も知らない段階、原田結良のシフト・ファイター能力の話題へと進む。

「わたしの魔法、じゃない、シフト・ファイター能力の名前は『響け、造物の鐘ディンドン・ブラウニー』って言います」

「ディンドン……、ブラウニー」

 復唱する明悟。確かに、昨日の『拾い読み』もそのような言葉を口にしていた記憶が有る。

「能力はというと、凄く限定的なんですけど、どんな物でも造る事が出来る能力です」

 結良は、『凄く限定的』という部分に非常に重大事項であるという事がわかり易いように力を籠めつつ、そう口にした。

「どんな物でも、造る事が出来る……?」

 ただ、明悟が気になってしまったのは無論後半の部分だ。

「はい、ただ複雑だったり便利過ぎる道具を造るとすぐに消えてなくなってしまうから実際に役立てられる物を造るとなるとかなり限られます。それから」

 結良は重大事を打ち明ける様に一拍間を置く。

「それから、この能力は一日一回しか使えないんです」

「いっ……、かい?」

「はい、一回です。だから造る物も便利な物より長時間使える長持ちする物を造る判断になりがちで」

「わた、薙乃のシフト・ファイター能力と比べると随分不便に思えるな。薙乃のシフト・ファイター能力は『武器を識る者ウェポン・マスタリー』と言って、手で持ち運べるサイズの武器の威力を強化する事が出来る。使用制限は、特に無い。変身可能時間は減るが、肉体に纏っている魔素が収束されている間は何度でも能力を使える」

「えっと……」

 そこで結良は何故か戸惑った様な反応を示し、視線を落として何か考え事をしているような仕草を見せた。

「えっ、じゃああの時薙乃さんが撃ってた銃って本物……?」

「ああ、そうだ」

「はあぁ、そうなんだ……」

 結良は驚くような感嘆するような溜息を漏らした。『本物の拳銃』を薙乃が使っていた事に驚いていたようだった。シフト・ファイターだのシフト・ファイターに変身できるドッペルゲンガーだの自称魔法使いが跳梁跋扈している状況で今更そんな事に驚くというのが明悟には意外だった。

「ん、そう言えば、栄美のシフト・ファイター能力は『武器を識る者ウェポン・マスタリー』ではないのか? 栄美のコンパクトを使って変身しているのだから薙乃の能力と同じだと考えていたのだが?」

「いえ、違います。栄美ちゃんの能力はわたしと同じです。私と同じ『響け、造物の鐘ディンドン・ブラウニー』です」

「な、に……?」

 明悟にとっては完全に予想外の返答だった。

「シフト・ファイター能力の内容には個人差が有って、一人一人その個性の様に差異があるというのが通説とされているが、二人の人間が全く同じ能力を持つというのは、有り得るのか……?」

「似た環境で同じような知識を持っていた場合、そういう事になる確率がある、のかもしれないんだそうです」

「似た環境……、そういうものか……?」

「えと、鶴城さんは『魔法少女ブリング・プリズム』というアニメをご存知ですか?」

 予想外もここに極まれりというレベルの質問を急にされたので明悟は一瞬面喰わされたが、「……いや、訊いた事も無いな」と努めて真摯に返答する。

「わたしが小さい頃に放送されていたアニメなんですけど、このアニメの中に『響け、造物の鐘ディンドン・ブラウニー』ととても良く似た魔法が登場するんです。ブラウニーっていう妖精? みたいなものに、不思議な道具を造ってもらう魔法なんですけど」

「……『ディンドン』というのは確か鐘の鳴る音の擬音だったかな、英語圏での」

「はい、そうです、鐘の音です。『人間には聴こえないけど妖精には聴こえる始まりの鐘、それ即ち魔法の音色』」

 何かの台本の文言をなぞる様に結良は口にした。

「……っていう台詞が話の中に有って、魔法少女と妖精にしか聴こえないベルを鳴らすとブラウニーが現れるっていう魔法で、多分それがわたしと栄美ちゃんのシフト・ファイター能力の元になっていると思うんです」

「つまりこういう事か? 原田君と栄美が同じ時期に同じアニメを見ていたからそれに影響されて同じシフト・ファイター能力を身に付けたと言いたいのかい?」

 結良は恐る恐る首肯する。

「薙乃さんはどうですか? 武器を強化するっていうバックグラウンドが有るのではないでしょうか?」

「ふむ……、そうだね、軍需会社の会長の娘な訳だからね、同年代の者達より武器というモノに近い場所に居ると言えなくはないだろうが……」

 明悟は若干しどろもどろになりながら返答する。

 ……『明悟』と携行武器の関わりはそれなりに深い。

 藍慧重工で製造している軍需品は装甲車等の特殊車両や建機、センサー等の電子機器類、災害対応ロボットの技術を応用した軍用ロボット(要するにカサジゾウ)などが主流で、銃火器等の携行武器は藍慧重工では実は扱っていない。ただ、同業他社の研究や見学でそういったものを扱う企業との関わりは深かったし、明悟自身軍需産業に関わる人間としてそういった武器全般に『ある程度』興味を持っていた。具体的には、海外への旅行や出張の際に本物の銃器を試し撃ち出来る施設に喜々として立ち寄ったり、今は金策のため手放したが一時期かなりの数の剣刀をコレクションしていたりと……。

 そもそも、『武器を識る者ウェポン・マスタリー』を発動する際に、武器のどの部分をどのように強化するのかという判断は、明悟の銃火器に対する知識が前提になっている点は無視できず、なるほど栄美がこんな能力を手にした所で持て余すのは目に見えている。シフト・ファイターに変身した人物の人生経験に因ったシフト・ファイター能力を得るというのは、確かに理に適った考えかも知れない。幼い頃の彼女達がアニメーションから受ける影響力を鑑みれば、それが人格形成の一助になるという事は十分に考えられる。怪物と戦うための能力の獲得、という日常生活から大きく離れた側面に纏わる発露となると、アニメの影響というのは馬鹿には出来ないだろう。

 明悟のインカムから、瀬名博士の声が響く。結良に質問して欲しい事があるとの事。

「『響け、造物の鐘ディンドン・ブラウニー』の使用回数について確認したいのだが」

「……はい」

 結良の顔付きが少し険しくなるのが見て取れた。こちらが訊きたい事を察したのかもしれない。

「一日一回しか使えないという話だがそれは、一度使うと次に使う事が出来るのは24時間後、という理解で間違いないかい?」

「いえ、ちょっと違うんです」

「ほう?」

「午前零時を過ぎるとまた使えるようになります。例えば一日が終わるギリギリ、前日の23時59分に『響け、造物の鐘ディンドン・ブラウニー』を使った後に日を跨ぐと一分後でもまた能力を使えるようになっていました」

「……えらく杓子定規と言うか、奇妙だな。魔素を収束する力を回復するために丸一日分の休養が必要なのかと思ったが。しかしそうすると不合理な点が浮上する。『拾い読み』と呼ばれるドッペルゲンガーはシフト・ファイター能力を二回使ったのだろう? 一日に。最初に君を誘き出す為に槍を造り出した時と、ウチのスタッフと薙乃の前で盾を造り出した時の二回」

「それはわたしにもわかりません……」

 結良は辛さを押し殺したような声で答える。

「わたしはあのドッペルゲンガーが変身したり能力を使ったりする時にぼんやりとそれを感じ取る事が出来るんですけど、それが日に日に『強く』なっていっている気がしたんです。最初はどこか遠くで物音がしている気がする位のあやふやなものだったんですけど、それがだんだんと強くなって、どこかの何かと連動している事が理解出来ました。そして、近所でそれが感じ取れた次の日に近所でドッペルゲンガーの被害者が現れて、ようやくわたしの中ですべて繋がりました」

「……」

「そしてその日の事件と昨日でわかったのは、わたしの中で感じ取れていた気配は距離とは関係無かったという事、単純にドッペルゲンガーの『力』が強くなっていたからわたしが感じる気配も強くなっていたという事です」

「……力が強くなったから一日に二回も『響け、造物の鐘(ディンドン・ブラウニー)』を使えるようになったという訳か」

「そうかも知れません……」

 ここで言われている『力』というのは何を指す言葉なのだろうか? と明悟は密かに疑問に思った。結良は『感じ取れる気配の強さ=力』と定義していたようだが、その『力』と呼ばれるモノはつまり、収束可能な魔素の量を指すのか、収束を維持している総時間を指すのか、それともそのどちらにも当て嵌まらない何か別のモノなのだろうか?

「しかし君は……」

 明悟は痛みを噛み殺すように口にする。

「君はまだ責め苛まれているのだな、ドッペルゲンガーとシフト・ファイターの力に」

「え、と……?」

「君のような若い人が未だにそんな怪物の存在に脅かされているという現実が口惜しくてならないよ」

「え、いや、そのそんな大したものでは無いですよ?」

 結良は妙に恐縮した風にそんな事を言う。

「力の気配だって、意味に気付いたのは本当にごく最近ですし、全然大した事無いですよ」

「……」

 自分でも知り得ない謎の存在の胎動を感じつつ日々を送るという感覚が、明悟には正確に想像し得なかった。ただきっと、心の平穏を乱される不気味な、日々に暗い影を落とす類のものである事は確実だろう。結良の健やかな在り様が、明悟には奇跡のように思える。

「もし何か辛い事や困った事があれば何でも遠慮無く頼って貰いたい。力にならせて欲しい」

 結良は少し困った様な笑顔で「有難うございます」と口にする。若干戸惑わせてしまっているかもしれないが是が非でも口にしておきたかった本心である。ある意味年長者である事を最大限活かした発言である。薙乃の立場では、ここまで踏み込んだ事は思っていても口に出来ないのだ。

「あの、わたしからも訊きたい事があるんですけど、いいですか?」

 結良は遠慮がちだが、同時に切実な率直さを持って口にする。

「ああ、尋ねてくれ」

「『最初の人間』の二人が言っていた魔犬が攻めてくる話は本当だと思いますか?」

 ……不意に、喧騒から遠く離れたこの新哉の屋敷を取り囲む、自然と農地の圧し掛かる様な静寂を意識させられた気がした。明悟は、意図せず長い間を空けてしまった後、「うむ……」と小さく唸った。まぁ、話題に上るのは確定していた案件ではあるが。

「正直、どちらとも言えないというのが結論だ。IKセキュリティとしては無論魔犬がやって来るという前提で動いているが……(インカムから簡単な現状報告を聞く。こちらは秘書の声だ)、魔犬が組織的に行動している兆候はまだ見られないよ。自衛隊にも情報を送って働き掛けているが、行政サイドがどう動くかは未知数だ。……ああ、勿論、君や薙乃については完全に伏せている」

「もし魔犬が襲って来るとして」

 結良の射抜くような眼差しに、明悟は次に来る質問の性質を察知した。

「やっぱり薙乃さんに戦わせるんですか?」

「…………ふむ」

 また、締め付けられるような沈黙を深く意識する。インカムからは瀬名博士や秘書の声は聴こえない。沈黙である。まぁ、当然であろう。

「……もし仮に魔素体大禍の様な事が起こったとしよう。確かに薙乃のシフト・ファイター能力は戦闘向きかも知れないがあの子を大規模な戦闘に出す事は出来ないよ。薙乃はあの蒼いドレスの姿に十数秒間しか変身する事は出来ない。限定的な作戦ならばともかく長時間の変身を維持せねばならない状況では薙乃はあまり役に立てるとは言えないよ」

「えっと、それはどういう……?」

「恐らく変身用のコンパクトが自分用でない故に不完全な変身しか出来ないのだと思われる。飽くまで憶測の域を出ないがね」

 それを訊いた結良は、思い詰めた険しい表情を作り、暫く何かを考え込んだ。また屋敷に満ちた静寂を意識しそうになった頃、結良は、ポツリと口にした。

「……それでも、薙乃さんは戦おうとすると思います」

「君は……、そんな風に思うのか?」

 感情を表に出さないよう注意しながら、明悟は言葉の続きを促そうとするが、今、自分の舌が異様に渇いている事に気付いた。

「薙乃さんは多分凄く正義感の強い人だと思います。それに……、今の時代の理不尽を許せないと思っている。魔犬に平和を脅かされている今の時代に」

「薙乃が、そんな事を言っていたのか……」

 明悟は、『そんな話始めて聞いた』という驚きを表す。いや、実際驚いていた、結良がそんな話を振ってきた事に。

「はい。薙乃さんの事を、止めてあげてください。絶対に」

「そんな事になれば、絶対に止める。あ、安心して欲しい……」

 ……実際に魔素体大禍のような状況が発生して『薙乃』の力が必要になったら明悟はどうするのか? 恐らく戦うだろうと、明悟は思う。第二段階での戦闘は極力避けるにしても第一段階ならばそれなりに戦える。会社自体は代表取締役と司令官の磯垣に任せれば充分に機能する。明悟自身が最前線に出ても何の問題も無い。

 そしてそれを、結良に見透かされてしまった。

 明悟が信用されていないから薙乃を無理矢理戦場に出すという話ではなく、薙乃に偽装した明悟との語らいから、『薙乃の疑似人格』でも『明悟の疑似人格』でも無く、明悟と薙乃が共有する本質を読み取られてしまっている。

 先週の喫茶店で、余りにも真摯に本音を語り過ぎたのが原因である。

 明悟は、結良の表情を読む。

 『安心して欲しい』とは言ったが、結良は未だに不安を隠さない表情で明悟を見据えている。全く納得していない。

 ……このまま薙乃の話を脇に置いて別の話を続ける事は可能だ。ただ、『薙乃』としての自分が、この話題を宙吊りにしておく事にわだかまりを覚える。

 ……いや、話題を変えよう。そう決心して、取り敢えずインカムに神経を集中させてみる。が、その時異変に気付く。インカムの向こうから異常な雑音が響く。椅子や机を忙しなく引き摺る様な音。そして

「え……?」

 放心したような瀬名博士の呟き。何事かと明悟は耳を澄ませると

 ぼん、という爆発音。

 明悟は思わず目を見開いてしまう。飛び上がって驚くという程ではないが、明らかにハッキリと何かの爆発だと判断出来る音が響いた。

 その後に響くのは遠くから聴こえる騒めき声。瀬名博士が、既にマイクの傍に居ない事が何となく察せられた。

「あの、マイクから、爆発音みたいなのが聴こえたんですけど、大丈夫ですか……?」

 結良もインカムから爆発音が聴こえたらしく、心配そうに明悟に尋ねる。補聴器に偽装したインカムのつもりだったのだが、今ので完全にインカムだと思われてしまった(まぁ、大して気にするような問題でもないかも知れないが。高校生なら補聴器自体知らない可能性も有り得る)。

「失礼します」

 不意に廊下側の襖から秘書の声が響く。入りなさい、と声を掛けると秘書が襖を開き、秘書が明悟の傍までやって来る。

「至急、お耳に入れたい話が」

 秘書が結良に目配せしながら口にする。……恐らくインカムの向こう側の件だろう。

「……申し訳無い、暫く席を外させて欲しい。急用が出来てしまった」

 明悟が結良にそう言うと、「あっ、はい、わかりました」とあっさりと納得してくれた。

本当に、申し訳無い気持ちになるくらい素直だと思った。

 応接室を出て、板間を奥の方まで移動。地下へのエレベーターに差し掛かった辺りで秘書が音量を落とした声で話を始める。

「詳細はハッキリしないのですが、どうやら捕獲した魔犬が急に動き出したそうです」

「……なっ!?」

 思わず声を上げそうになったが、何とか押し殺した。

「それは、大丈夫なのか? 下は、皆無事なのか?」

「はい、ゲージの中で頭部を再生させようとしていた時点で戦闘ロボットによる攻撃で魔犬を再起不能にした、という事なので、スタッフ各員には怪我が無いと思われます」

 ……さっきインカムから聴こえた爆発音はグレネードランチャーのものという事か。瀬名博士は地下の実験棟で、駒木や曳山博士達他のスタッフが魔犬の実験を行っている傍らで明悟への指示を出していたのだろう。しかし一体何だというのだ? 彼らの言う『ブレイクスルー』が未だかつてない結果をもたらしたのだろうか……?

「地下ドームの状況はわたしの方で確認して参ります」

 秘書は明悟の思考に割って入って言う。

「会長は変身して結良さんの応対をなさるべきだと思います」

 秘書の、越権とも言える具申に明悟は一瞬きょとんとしてしまう。

「待ってくれ、変身する必要があるのか?」

「非常に差し出がましいのですが……」

 秘書は、非常にハッキリとした意志の籠った眼差しで明悟を見据える。

「会長も、薙乃としての言葉を掛けるべきだと感じているのではないでしょうか?」

「……っ」

 秘書としては悉く越権行為であろう。しかし秘書と雇用主の建前上の関係というのは飽くまで建前上のものでしかなく、雇用主が秘書にどの程度のパフォーマンスを求め秘書がそれに応えるというのは個人対個人の暗黙の了解に因る部分が大きい。特に、明悟の秘書は明悟に対して『少女としての所作』を教授する役割を担ってしまっている。こういう場合での秘書の進言は大概的を得ている。実際今の明悟も、秘書の意見に一理有ると思ってしまっている。

「……わかった。君の言う通りだな、そうしよう」

 という訳でそのまま結良を待たせて地下通路まで下ってまた早着替えである。明悟はそのままにしてあった更衣所に入り、秘書は地下ドームへと進んでいった。


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