Kapitel.5 喪失の悲鳴《フェアリーレン・ゲシュライ》
手始めに殺しにかかったのは占い師のテハーだ。
「あら、坊や。殺気立った目をしているね。なるほど占いは当たっていたようだ。坊やは私を殺しに来たんだね。しかし誰の依頼だい? 使命者を殺す依頼なんてしたら、依頼者は国中から迫害されるだろうに。まさかアリスかい?」
「リーエ様はこのことを知らない」
「様、ね。随分染まっちまっているようだが、果たして能力を得た私に勝てるのかね」
「占ってみろ」
ロイがコートの陰から
するとまるで最初からそこに居なかったかのように姿が消え、次の瞬間には現れた。
「占うまでもないさ」
彼女は、叫ぶことで姿を消す能力を手に入れたようだった。その能力の前ではあらゆる物理攻撃が空を切る。
ロイは丸形の包みに火を点けて、放った。一見して爆弾に見えた。彼は爆発物の取り扱いにも長けていた。
テハーは瞬時に叫び消えたが、爆発はせず煙を発し続けた。
「煙があれば消えても風の揺らぎで見えると思ったかい? でもそれは大間違いさ。私の“
だがロイは構わず
「キャ――ごはっごほ! ごほ!」
煙に
声の出なくなったテハーとの距離を一気に詰めて
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