第13話 遠距離射撃
攻撃態勢に入った隊長機だったが、細かい姿勢制御を行なっている。遠距離射撃の場合は、少しの角度の違いが遠くになればなるほど、大きな差となり目標に命中しない。初弾を命中させるのが特に重要だ。
隊長機の動きが止まった。少しの間の後に、マズルフラッシュが続けて見えた。着弾したら全速力で戦闘開始だ。
「AI、敵に着弾したら全速力で加速し、敵の駆逐艦に攻撃開始だ」
ランスは、AIに攻撃許可を与えた。
「命令を認識しました」
これで、AIは自動で機体を操作し、敵の駆逐艦への攻撃を行う。
「駆逐艦を無力化したら、大型艦の横を通過しながら、撮影を開始」
「命令を認識しました」
あとは、大型艦からの攻撃がないことを願うだけだ。戦闘機ほどの小さな標的に当てることは難しいだろう。だが、絶対に当たらないという保証もない。
駆逐艦から光が見えた。着弾したのだろうか?連続して、爆発らしき光と炎も見える。
「全機!攻撃開始!」
隊長から攻撃の指示が入った。AIが機体を加速させる。加速と同時にシートから体を包みこむようにエアバックが出てきた。加速に応じてパイロットの体を支えてくれるシステムだ。加速によって、体がシートに押さえつけられる。
機体は、さらに加速していく。駆逐艦も近くに見えてくる。駆逐艦が小さな艦船だと言っても、戦闘機とは違う。やはり、大きい。駆逐艦からも攻撃が始まった。レーザー兵器がこちらの方向に発射される。
機体からは、離れたところをレーザーの光が通過していく。やはり、敵のレーダー装置が破壊できているのだろう。当てずっぽうで撃ったところで簡単に当たるものでもない。頭では、理解していても近くをレーザーが通過しているのを目の当たりにすると不安がよぎってしまう。
「間もなく、攻撃可能な距離です」
AIが知らせてきた。今度は、こちらからも攻撃だ。自然と体が震えてきた。
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