S1.1 変態部、訪問する 1月20日
――雪城市 雪城高校3F:ミステリ部部室――
青葉「やあやあ不要不急とか言われながらも律儀に登校してきた真面目な学生くんちゃん達やっはろー」
莉乃「こんにちは……。寒くても元気ですね……」
青葉「まあそれはそうだろう!今日は中学生のミニスカートにうつつを抜かす世のクソ教師を脅しに脅して臨時の お こ づ か い をせしめて来てるからね!」
緋奈「律儀にさせるように証拠握ってるくせによく言いますよほんと。おはようございます。ついでに梧桐も連れてきましたよ。――彼も関係者ですから」
梧桐「――今日は見つからないと思ってたんだけどなぁ~……」
青葉「いやいや、性格悪ではあるけど性根悪ではないよ。やることやったのは私じゃないし自業自得なんだよねこれが」
青葉「まあそれはいいんだ。今日は君たちに仕事を持ち込んで来てやったってわけよ。今いるやつは今すぐ挙手厨しようそうしよう」
緋奈「古い……」
莉乃「この方にまだ慣れません……」
梧桐「意思疎通出来てるだけいいんじゃなーい?形だけでいいっしょ、これとは」
莉乃 「そういうことにしましょう……」
エイリオ「おはようございます!今日はどこいくの!?」
▶エイリオはドアを勢いよく開けてドアがバタンバタン鳴ってます
青葉「ふっふふふ。今日の仕事は変態部の取材を受けることよ。名前だけは変だけど学校でもほぼ最古参ではあるわ」
緋奈「ねえ、梧桐君……。連れてきてなんだけど、私帰ってもいいかな」
梧桐「自分勝手ですよね~先輩も。んじゃー俺も連れてってくださいよー、どこか休む場所ぐらいあるんでしょうし~」
莉乃「――私たちを置いてかないで下さい……」
青葉「ということで入ってきなさい!」
▶小柄な男の子が居心地悪そうに入ってきますね
木場「えっ何そのフリ。入って来にくすぎるだろそれ……」
エイリオ「先生その人新入部員!?」
莉乃「――それで、その方はどういう……」
木場「えっと……、自己紹介するな。俺は高校2年A組変態部部長の
梧桐「お~。つまりここも潰してくれるってことじゃないですかー」
エイリオ「部活名が独特ですね!」
緋奈「先生、明らかに潰れるフラグたってますけど。潰れていいんですか?」
木場「それで、こんな時期に新しく部が出来ると噂に聞いて、どういう趣旨の部活か取材しにきたわけだ。どういう部活なのか教えてくれるか?」
青葉「お悩み相談を私達にすると!知らない間に!解決している魔法のような部活なのだ!それにこの部活は変態部より古いから潰れん!」
梧桐「強請られてま~す。というか先輩の知り合いじゃないんですか?生徒会側っぽくないですかー?」
緋奈「生徒会で副会長もやってるのに、こんなところに居てる時点で察してよ……。というか一部活に廃部させるような権限なんてあるわけないでしょ。別に代理組織ってわけでもないでしょうし」
エイリオ「楽しいよ!」
木場「あの先生に強請られている先生はほぼ全員だ。諦めたほうがいい。――――そうかお悩み相談か」
梧桐「あの人新任ですよねぇ……?」
莉乃「――もしかしたらここに通ってたのかもですね」
木場「うちの部活は元々3年が主体でな。もう残ってるのは中学2年の
梧桐「仲良くしたいんですかー?そんな態度取られてるのにぃ?」
緋奈「ここって恋愛相談室だっけ……」
エイリオ「うーん……。コレって、どう思います?葉月さん」
莉乃「まぁ嫌われているとは思わないですけどね……」
木場「何度も言うが変態部はもう2人しかいなくってな。後輩とのコミュニケーションくらいきちんと取りたいんだ」
▶秋斗と夏乃が部室に入ってくるよ
秋斗「こんにちはー」
夏乃「遅くなりましたー。あれお客さんがいる」
梧桐「ご立派な事でー……。そういうことなら今入ってきた先輩がー、後輩とすっごく仲良いみたいですよ~?んじゃ、そういうことで」
緋奈「はいはい、逃げない逃げない。萩原君捕まえといてね」
木場「そうか。時間取ってくれるらしいから、できれば明日までに解決策を教えてくれると助かる。これが俺の連絡先だ。頼むな」
▶木場はメモを渡して去っていきました
秋斗 「おうおう事情も知らんやつに押し付けようとするな」
梧桐「え~、先輩はこの前悩みを解決した実績があるじゃないですかぁ……。くそ、出られない……」
▶秋斗がしっかり扉をディーフェンスしてますね
夏乃「はいはい投げられたのは全員一緒なんだから一人だけ逃げないでね」
莉乃「――――解決策も何も……。えぇ……」
エイリオ「ここの依頼って毎回こういう投げつけスタンスなの?」
青葉「そうだよ。あてつけ歓迎スタイルだから」
青葉「で、取り逃がしたわけだけど。原因はなんだと思う?はい莉乃ちゃん」
莉乃「えぇ……、この状況では……?」
青葉「うーん……。毎日毎日イチャイチャしてる秋斗くん。どう思う?」
秋斗「いやそもそも俺ちゃんと話聞いてたわけじゃないんですけど……」
青葉「そっかー……。緋奈ちゃんは?」
緋奈「ツンデレこじらせ過ぎて、前回みたいになってるって最悪な状況じゃなきゃなんでもいいです」
青葉「なるほどなるほど。ツンデレ拗らせ系ね」
青葉「ひゅひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
▶部室の魔法陣を光らせますね。青い悪鬼が部室の中央に出現します
エイリオ「先生大丈夫!?」
夏乃「うーんこの危険人物」
秋斗「えぇ……」
莉乃「ええええ」
梧桐「――は?」
青葉「はい大当たりー!ツンデレだけだったみたいね。中にいるやつぬっころしてデレデレにしてきてちょうだい」
緋奈「うん。まあこうやって集めてってなると察するよね」
夏乃「えっツンってそれで消えるの?なんというかもったいなくないですか!?」
秋斗 「むしろ消すのがもったいない」
青葉「まあツンデレのツンだって立派な負の感情だからね。大部分が消え去るだけで元の性格は治らないから棘がなくなるくらいだよ。辛味の痛さを美味しさだと勘違いしてるのと一緒なのだ!」
梧桐「個性消えるよね~」
エイリオ「漫画みたいに徐々に素直になるってことは現実にはないのかぁ」
莉乃「こういうのって途中経過が大事なんじゃないんですかね」
青葉「やっぱ世間は外圧に晒されるしかないのだ!!ということで行って来い君たち」
梧桐「というか依頼受けて即日解決って……。来ないしか選択肢がない……」
緋奈「最近よくあるツンデレを語ったただの暴力系が正しくツンデレになるってくらいでしょ。はぁ……、なんでこんなことに」
エイリオ「萩原パイセン!今回も一番槍ですよ!早く早く!」
秋斗「やめてくれ脳筋って言われたのちょっと根に持ってんだから……」
梧桐「せーんぱーい、また適当に突っつきに行ってくださーい」
秋斗「やめれって!」
莉乃「――まあ少しはこういうのにも期待したところもあるし……。ちょっとくらいは」
夏乃「突き詰めればそれもまた一つの強みですよ秋斗くん!」
秋斗「うーん釈然としない……」
梧桐「――あ~。そういえばこの前はいたのに何もしなかった人もいたっけぇ?そういうのもありだよねー」
莉乃 「……えと、何か?」
夏乃「後輩に棘を向けるのは大人げないと、そう思いませんか」
梧桐「思ってたら口にしないよー?」
緋奈「こんなところで険悪になるくらいなら、中にいるあれにやつあたりでもしてきなさいな」
莉乃「……じゃあ、今日は少しはやりますよ? 見てくれます?」
梧桐「先輩が連れてきたせいなんですけどね~?はいはい……。ご自由にー」
夏乃「覚えられたくないなら覚えられたくないでもう少し人間関係を学びましょうね、善意ですよ。受け取っておいてください」
梧桐 「そりゃご親切にどーもー」
緋奈「私人を見る目なかったなぁ……うん、がんばろう」
エイリオ「大人の世界だ!」
梧桐「あれ、変身せずに入っていいんだっけこれ」
エイリオ「中に入ってからじゃないと自由がきかないよ!たぶん!」
秋斗「ほら、あれに駆け込みながら変身」
青葉「向こう入ってからでいいよ。魔力維持大変だからとっとと入ってね……」
莉乃 「じゃ、いきます」
――毒と棘の密室――
▶中に入ると荊棘と毒沼に覆われた空間だったよ。空気も悪いようで呼吸するのも少し厳しいですね。茨のスカートをした顔色の悪い女性が、見るのも毒な空気を放出しているのが見えます。元凶は明らかですね
梧桐「――相変わらずナンセンスだなぁ~……。ここ……」
夏乃「あー……、ほら毒を以て毒を制するんですよ梧桐くん頑張って」
梧桐「は?」
夏乃「なにか?」
エイリオ「トゲトゲしいって感じだね!」
緋奈「なんでこっちもトゲトゲした空気になってるんだろう……」
秋斗「ほら、雰囲気に当てられて?」
梧桐「――いや別にー。結構こっちのこと分かって貰えてるようでありがたいよ~」
エイリオ「……!ほら!萩原パイセン出番ですよ!」
秋斗「だからやめてくれって(」
莉乃「楽しそう……、かも……」
梧桐「あーあ、今日はお菓子も無いんだろうなー」
エイリオ「今日は水月さん来てませんからね!」
▶戦闘前行動 毒女 紫毒姫(行動終了時毒2d6)
▶スカートの裾をひらりと上げ、お辞儀をしたかと思うと、強烈な毒が空間に散布されます。吸い込むと喉が痛いほどですね
秋斗「うわキツ」
莉乃「うっ……、これは……」
夏乃「んんー悲しいことに美しいですねえ」
梧桐「――こっちもあれくらいできる人いたら楽なのになぁ」
緋奈「これは長くしてるとジリ貧ね……。さっさと終わらせましょ。――ということで、萩原君がんばってね」
エイリオ「どう見ても毒だけどもしかしたら毒じゃないのかもしれな……、ウゲェ……」
秋斗「よーーーし、今回は脳筋って言われないようにするぞ!!!」
莉乃「私は期待してますよ」
エイリオ「どうするの!?」
秋斗「具体案はなし!!」
梧桐「せんぱーい。脳無しって言われたいなら言ってあげますよ~」
秋斗「待って待って今考える」
▶秋斗 毒知識で判定 通常攻撃
失敗[人間振り直し]
成功 17ダメージ
[毒]7ダメージ
秋斗「だめでしたーーーー諦めよう」
エイリオ「パイセン頑張って!」
秋斗「難しいこと考えちゃいかんな、うん。こっちのほうが合ってるわ、うん」
緋奈「萩原君、昔は賢かったと思ったんだけどなぁ……。まぁいいか、やろうとしたことはこっちでやるから」
▶緋奈 通常攻撃
成功 11ダメージ
[毒]7ダメージ
緋奈「大口叩いて何もできないって、一番かっこ悪いやつね!なんか前もこうだった気がするわ」
秋斗「俺ももうちょっと自分が賢いと思ってた……」
エイリオ「――出来ることを出来るだけやればいいんだよ!そうだと思う!」
▶エイリオ 通常攻撃
成功 6ダメージ
[毒]10ダメージ
▶夏乃 回復薬
[毒]7ダメージ
エイリオ「スコっと当たった気がする!調子戻ってきたかな!――――オゲー!!体に浸みるーーー!」
夏乃「大丈夫?はい、ちょっとはましになるでしょ」
エイリオ「ありがと!鈴倉先輩大好き!」
莉乃「みんなに負けず頑張る!」
▶毒女 タップダンス(攻撃判定を一度だけ無効化)
▶ひらりひらりとスカートが宙を舞い、そのたびに毒の空気が空間に噴出していくのが目に見えてわかります。少しずつ目も霞んでいく感覚に陥ります
▶莉乃 観察力で判定 キュア エイリオ莉乃
失敗[人間振り直し]
▶梧桐 通常攻撃
成功
[タップダンス]
[毒]9ダメージ
莉乃「私からもこれを受け取って!!きゅあきゅあ~」
エイリオ「ふぉおお!スッキリしたー!葉月先輩も愛してるー!」
莉乃「一緒に頑張りましょうね!]
梧桐「――しょうがないっかぁ。先輩方ー、よろしくされてくださいーなっ!――はぁ……。ゲホッ!あぁ、おっもい……」
秋斗「今度こそ!今度こそ!!」
▶秋斗 通常攻撃
成功 18ダメージ
[毒]3ダメージ
秋斗「俺の自己有能感が消えていく……」
夏乃「まあまあ万能な人間なんていないんだから」
エイリオ「パイセンは今のままでかっこいいよ!」
緋奈「毒でじわじわなぶり殺すってホント趣味悪いよ」
▶緋奈 妖怪知識で判定 通常攻撃
成功
成功 10ダメージ
[毒]6ダメージ
▶エイリオ ポーション 通常攻撃
成功 4ダメージ
▶夏乃 落とし穴
[毒]10ダメージ
▶毒女 タップダンス
[落とし穴]11ダメージ
▶莉乃 ホーリーライト
9ダメージ
[タップダンス]
[毒]10ダメージ
緋奈「直接手出しせずにじわじわなぶる。攻撃は避ける。おまけにタフ。こいつの元になった子、結構いい性格してそうね」
エイリオ「てぃっ!やった!当たった!」
夏乃「そういえば動かなかったよね?足元気を付けてねー」
莉乃「私の思い光の先に届いて!ほーりーらいと!」
エイリオ「あー……。思いが掻き消されちゃった……」
▶梧桐 通常攻撃[足刀蹴り]
成功 15ダメージ
[毒]11ダメージ
▶秋斗 通常攻撃
成功 11ダメージ
梧桐「はいは~い。やることやりますよぉ……はぁああっ!――……っはぁ、……あー、無理に動くもんじゃないかぁ」
秋斗「ここまで来たらも頭の善し悪し関係ないよな!!」
▶秋斗が薙刀で毒ごと切り払うと、棘のスカートを着た顔色の悪い女性は晴れやかな笑顔でスカートの裾をひらりと上げ、消えて行きました。空間の毒も晴れ、少しずつ空間が壊れていきます。目が霞んでいるのもあり、かなり幻想的な光景ですね
秋斗「終わりよければ全てよしだよな。うんうん」
エイリオ「パイセンかっこいー!」
莉乃「流石です」
緋奈「あーおわった。毒でしんどいし早く帰りましょ……」
梧桐 「――この景色は、綺麗なもんだね……目に悪いや」
莉乃「これで終わり…………、なんですね」
エイリオ「棘も抜けて心晴れやかってことだよな!パイセン帰ろ!」
夏乃「何でもないときに最初からこの美しい状態の空間を展開とかってできないんでしょうか?」
秋斗「あーそれは見てみたいかも」
――雪城市 雪城高校3F:ミステリ部部室――
青葉「はいご帰還ー!!って結構いいようにしてやられたっぽいわね。ひゃーせいしゅんー」
エイリオ「今日は最終的には無傷だった!先輩達のおかげー!」
緋奈「浴びなくてもいい毒浴びることになったので解毒してくださいー」
莉乃「今日はがんばった」
梧桐「おつかれっしたー……」
青葉「待て待て。私が折角買ってきたそこの商店街のマドレーヌを食い給え」
夏乃「うわーいせんせー太っ腹ー」
梧桐「――先生……。案外人の心が分かることもあるんですね」
青葉「はいプリキュアプリキュアー」
▶青葉 オールキュア
▶雑に詠唱をしたと思うと毒素が抜けていくのを感じます
莉乃「わぁ」
エイリオ「部活の後はお菓子タイム!」
莉乃「はじめて先生が良い人っぽく見えました」
青葉「ツンデレの毒は怖かったでしょ-!私も昔あれに散々痛めつけられちゃってねえ……。苦味のあるおもいで!」
梧桐「……」
緋奈「お菓子だけで釣られるなんてホント扱いやすい人ばっかりでよかったですね先生」
▶緋奈はマドレーヌを手にとって梧桐の方を見てくすっと笑います
秋斗「あの域まで行くとメンヘラでは?」
エイリオ「ナルの分も貰っとこー」
莉乃「これ美味しいですねー」
青葉「後処理やら連絡はこっちでやっとくから。七歌ちゃんはだいぶ可愛くなったよ。ってね」
夏乃「ツンデレは毒で固定なんですか、いやぁ面白いものですね!」
梧桐「――そういや、具体的な解決案は出せないっすね」
青葉「口先八丁嫌よ嫌よも好きのうちの青葉先生に任せておくんだわさわさつばさようせいのつばさ。こっちにチョコレートもあるから虫歯に苦しむと良いよー」
秋斗「ネタ挟まないと死ぬんですか」
莉乃「それで終わるなら私たち戦う必要あったのでしょうか……」
梧桐「……」
青葉「あったよ。経験も人生の華!」
――
木場「帰ったぞ。って先生によると『いつもより可愛くなってるよ???』ってなんだ……。やっぱりあの部活に相談したのが間違いだったか……?」
七歌「あっ……、蓮……えっと……その……おかえり。ミステリ部、どうだった?」
木場「おう……?いつもなら『もっと早く帰ってきなさいよこの唐変木!七歌が待ってたのに!』とか言うものだと……」
七歌「いやそのえっと……。いつもその……言い過ぎちゃったかなって……。蓮、ごめん。七歌の言い過ぎだったかも」
木場「うわぁ……朝日が見たら『えっとこいつ……誰?七歌ちゃんには見えないよね……?』とか言いそうだわ……。大丈夫か……?」
七歌「大丈夫よ。それより、何処行ってたの……?七歌にも教えてよ」
木場「うーん怖いなぁ……。ミステリ部……、かかわらないほうが良かったかもしれない……」
――
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