第65話 授業が終わったあとは、地獄の尋問タイムです。

 今日の授業がすべて終わったあと、メドくんに連行された。というのも、同じ寮の中に住んでいるので、連行されたのはメドくんの部屋だ。ぎっしりと本が並んでいて、彼の勤勉さが窺える。

 

「······なんで、お前もいる。ラクリエ」


 メドくんは鋭い視線で、自分の部屋にいるもう一人の人物をにらんだ。


「······んー、だって考えたことは一緒だからじゃない?」


 ぼんやりとした瞳を擦りながら、もう一人――バードはそういった。メドくんはそれに眉を寄せ、深いため息をついた。とはいえ、バードの部屋はメドの部屋から二部屋隣だ。ついでに、俺の部屋ともそんなに離れていない。

 いくら人がいないとはいえ、空室が多いとはいえ、無駄に広く使うことはしないのだろう。掃除だって、面倒くさくなるし。


「あ、あの。俺、なんかしたの?」


 少し剣呑そうな空気が流れかけたので、口を挟むと余計にため息を吐かれた。


「お前、自分の力を自覚せずに使っていただろう。」


「自覚っていうか、そもそも魔法になれてない感じだけどねぇ······」


 ふわふわと笑いながら、バードはそういう。瞳はメドくんのみをとらえていて、笑ってはいない。僕は苦笑して、内心止めるのを諦める。バードもメドくんも何を考えているかわからない。それに、バードがいっていることは正しい。ごもっとも過ぎて、反論できない。

 俺は、彼らから視線をそらした。


「······ラクリエ、図星をついてるぞ」


 しかし、メドくんは見逃していなかった。表情取り繕うのは、それなりに得意なはずなんだけどなぁ。そんなことを考えているほどの余裕はないけど、そこでうなずくことはできなかった。

 

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