第二章 第二ダンジョン解放って、二章と被せてない!?
第22話 え、ダンジョンに俺一人でいくんですか?
水晶の森と呼ばれているこの場所。
きらきらと、青や緑、時おり怪しく紫に光る水晶の中にいる。ここは、第二ダンジョン。
俺は理解できず、震えながらそこにいた。
遡ること、二時間前。
ザックさんにい言い渡された、
「ハル、ここにいってこい」
「は?」
と。俺はポカンとして、そう返したしまったのだ。あまりにもその場所はおかしいところにあった。この街の外れの地下だ。地図を渡され、というか押し付けられ、現在に至る。
マップの他に書状があって、ダンジョンを踏破するようにと書かれていた。俺はさらに首をかしげる。しかし、いつものことながらザックさんは仕事へと駿馬で戻ってしまった。俺は言い逃れができない状態に陥ってしまった。
そして、現在に至る。
テオとメイには暫く帰ることができない旨を伝えておいた。二人はひどく残演そうにして、俺を引き留めてくれた。だが、グズグズとしていると、ザックさんに怒られてしまう。
「はぁ······。なんで、俺がダンジョンに」
装備は初期のまま、水晶地獄へと足を踏み入れた。はじめは圧倒される美しさばかりが残っているが、時間がたつにつれ、おぞましいほどの熱気が襲ってくるのだ。頭がぐらぐらするほどの湿気も。
不意に風を切る音がした。
「ちっ、敵じゃなかったか。しくじっちまった······」
目の前にいる小さな影。背丈は少年。真っ黒に包まれたその姿は人間である。俺と同じこのダンジョンに踏み込んだ人間なのだろうか。
「ヒィッ」
俺は反応が遅れていた。首筋には異様に輝くナイフがあてられている。首筋からは少しばかり、汗が伝った。
「悪い、オレが勘違いしただけなんだ」
「い、いや。うん、大丈夫、です」
シドロモドロになってしまう。その人物は白い肌で、背丈が小さい割りにて足が長い。細いせいか、それに拍車がかかっている。それにそこの見えない紫水晶の瞳と、凶暴そうな尖った歯。そして瞳より濃い、髪の毛は一本に結わえている。
目付きは悪いけど、ザックさんほどじゃないな。それになんか、虚ろで怖い。無関心そうな雰囲気を醸し出している。
「はぁ、メンドウだな。」
彼はため息をして、俺の首筋からナイフを離した。
そして、舌打ちをしてどこかへ消えていった。いや、本当にどこかへ消えたのだ。
霧のように。
最初から存在しなかったかのように、フッと。
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