メリークリスマス

12月24日

クリスマスイブだ・・・


だからと言って特にイベントがある訳ではない

土曜だが特に出かける事もない、普通に家事をして食事をして寝るだけ

変わった事と言えば、長男がアルバイト先からクリスマスケーキを買って来た事くらい。それを黙ってテレビを見ながら3人で黙々と食べる

特に親子関係に問題があるとは思わないが、無理に話題を作ることもせず、最低限の連絡だけを取るだけなのは、男しかいない家だからだろう


いつものように部屋でテレビを見続けるが、クリスマス特番みたいなものばかりでつまらない・・・

もう寝ようかと部屋の灯りを消したと同時に携帯が震える


眞紀だ

すぐにわかった、何故ならこの時間にラインをしてくる相手などいない

電気をつけ、確認するとやはり眞紀だった


眞 メリークリスマス

眞 今日は楽しい事あったかな?

僕 メリクリ

僕 あったよw

眞 桃ちゃんとラブラブした?

僕 しねーよ

眞 死ね?

僕 違うけど、寧ろ死ね!死んでしまえ!

眞 ひえー・・・

眞 ・・・怒った?

僕 全然w

眞 よかったw

眞 じゃあ楽しい事って何があったの?

僕 ケーキ買ってもらって一緒に食べた

眞 桃ちゃんと?

僕 しつこいねー

眞 うそうそw誰と?

僕 長男が買って来たんだよ

眞 それは素敵ねー

僕 そんなに僕は信用ないかな?

眞 あるわけないよね

僕 お互い様だと思うが、違うかな?

眞 ううう・・・


この調子を永遠に続けるのも可能だが、少し変えてみた


僕 で、眞紀は僕に何をくれるのかな?

眞 いいお知らせがありますw

眞 聞きたい?聞きたいでしょ?

僕 いや、別にいいよ


返信が止まった・・・

怒らせたかな?


僕 本当は聞きたいです、お願いします

眞 どうしようかなー

僕 土下寝を今してます!

僕 どうかお許しください

眞 土下寝ね・・・

眞 それってただのうつぶせじゃないの?

僕 そんな事ありません、最上級の反省です

眞 じゃあ許す

僕 ありがとうw

僕 いいお知らせプリーズ


やっと本題に入る


眞 今度の大阪ガイドだけど・・・

僕 だけど?

眞 それより私、箱根にいきたいわ


ほう

そう来たか


僕 箱根OK

眞 ガイドしてくれる?

僕 箱根は僕の庭みたいなもんだから、何でも聞いてくれ

眞 やったー

僕 いつがいいの?

眞 1月10日の週ならいつでもいいわ

僕 だったら空いてそうだから平日にしようか?

僕 1月11~12とかどう?

眞 仕事大丈夫なの?

僕 後輩に恵まれてるから全然OK


毎度同じやりとりな気がする・・・


眞 じゃあそれでお願いします

僕 宿取っていいよね

眞 取らないでどうするの?

僕 日帰りとか?

眞 二日予定取るのに?

僕 ごめんなさい、ふざけすぎました

眞 慣れてるからいいわw


こういうやりとりは楽しい


僕 現地集合にするよね?

眞 ううん、車で行きたいの

僕 大阪まで迎えに行けばいいかな?

眞 来てくれるの?

僕 余裕だよそのくらい


違うと思っているので余裕である

でも、もし来いと言われれば根性で行く

それが僕の意地だったりするのだ


眞 嬉しいけど、前日姉のところに泊まるから横浜から一緒に行きたい

僕 OK、何処でも迎えにいくつもりだから

眞 なんか、ありがたいわ

僕 僕は前と変わってないから

眞 そうだね


なんだかんだ言いながら眞紀はいつも僕に主導権を委ねる

僕も頼られるのは嫌いじゃない


眞 それと、その時にいろいろ話したい事があるの

眞 だから車で行きたいのよ

眞 運転私もするから任せてねw


いろいろ話したい事・・・

ついに今の眞紀についての報告だろうか?


僕 明日中に宿は確保しておく

眞 わかったら教えてね

僕 すぐラインするよ

眞 お願いします

僕 いいお知らせだったw

眞 何が?

僕 旅行のお誘いの事

眞 私が誘ったのかな?

僕 ライン遡ってみなよ、明確に誘ってるから

眞 そうね・・・恥ずかしいわ

僕 何をいまさらw

僕 でも、最高のクリスマスプレゼントだったよ

眞 喜んでもらえたなら良かったw


明日は日曜、無論用事などないので延々とラインをしていても大丈夫だ


眞 明日はおでかけとかするの?

僕 特にはしないけど、眞紀は

眞 娘と買物いく予定

僕 相変わらず仲いいね

眞 そうなの、娘だーい好きなの


僕も眞紀が大好きと言いたかったが、諄いかと思い自重


眞 キリがないから寝るわ

僕 そうだね、おやすみ

眞 おやすみなさいw


このお知らせが最高のプレゼントである事は間違いない、心からそう思う

すっかり目が覚めた僕はPCを起動させ、箱根の宿を調べ始めた

厳選に厳選を重ね、そこそこ良さげな宿を予約できたが眞紀への連絡は明日にしようと思う


僕はあの頃と変わらない

今でも眞紀が好きだ

もし変わった事があるとすれば、自由な立場になった事で少し余裕が出来たような気がする。言い換えればがっつかなくなったと言う事だろうか

結論を急ぐ事もなく、ただその時に向かって進むだけ


聖夜の夢は、いい夢が見れそう

そんな幸せな気分で僕は眠りについた

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