第21話 裸身
この、日本という国には不思議なものがあります。
上のくるくる回る部分を捻れば、水もお湯も自由に出るのです。
この蛇口については空港のホテルでもレバー式のものを体験しましたが、本当に不思議です。故郷の島の集落では、水は井戸から汲むか、雨水を貯めるもの、湯はそれを沸かすものでしたから。
浩一郎さんには悪いことをしました。
湯舟いっぱいにお湯が貯められていたために、驚いてしまったのです。
ホテルでならそういうこともあるかと思ったものですけれど、個人のお宅で同じことがしてあろうとは。私に対して過分なもてなしに驚愕した次第です。お恥ずかしい。
どういう原理で水やお湯が出てくるのかさっぱりわかりませんので、今度調べてみようと思います。今のままでは御伽噺の魔法を見ているようなものなので。
私の声に慌ててやってきてくださった浩一郎さんには背中とはいえ、裸を見られてしまいました。
恥ずかしかったですけれど、いずれ娶っていただき全て見ていただくのですから。
ほんの予行演習のようなもの。
そう思うとなんてことはありません。
むしろタオルなど無い方が、かえってよかったかもしれませんね。
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