第6話 制服


 土日でベッドやら布団やら服やらなんやらかんやら買い揃えた。

 流石に同じベッドで寝るのは俺的に厳しい。

 倫理観とか世間体とか、あとまあ、理性とか。色々だ。

 明日からまた仕事だし寝不足は困るしな。


 生活雑貨の準備が全くなされていなかった一方で、唯一、学校関係のモノは親父(とたぶんお袋)が手配してくれていた。

 鞄とか制服とかノート教科書といった類だ。

 そこまで用意したんなら、俺んとこ顔出せばいいのに。俺に怒られるとでも思ったのだろうか。いやまあ、怒るけど。


 寝室で制服に着替えたルゥさんが姿を見せてくれた。


「どうデスカ?」


 ブレザーにプリーツスカート。

 やや大きめのリボン。

 俺が中学生だったころよりは少しマシなデザインになってはいるが、どこにでもあるタイプの制服だった。けど、ルゥさんが着ると特別に見えた。


 着慣れない制服に戸惑いはにかむルゥさん。

 ええやん。

 かわいいやん。

 と、何故か胸中で関西弁になる俺。別に関西出身ではないです。


 制服はあつらえたようにルゥさんにぴったりだった。


「うん。似合ってる。可愛いよ」


 するりと、素直すぎる感想を口にしてしまった。

 女の子に可愛いとか言ったことなんか殆どないのに。恥ずかしい。何故か赤くなる29歳男性会社員。


「エヘヘ。そうデスカ」


 めっちゃ喜んでる。両手を頬に当ててくねくねしている。

 ならいいか。

 可愛いのは事実なので。うちの子が一番可愛い。

 あ、そうだよ。これはアレだ。完全に保護者目線だ。バカ親目線。保護者の贔屓目ってやつ。だから可愛いとか言っても問題なし。普通フツー。

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