第5話 寝床
※俺のお風呂シーンはカットします(誰も得しないため)。
ルゥさんには、俺の寝間着(ただのスウェット)はサイズがデカ過ぎてめっちゃダボダボだった。まあ丈が短いよりはマシだと思うことにする。
問題はそれよりも寝床だ。
寝室にはシングルベッドが1台あるだけだ。
「ルゥさん、ベッド使ってね」
「えっ?」
「えっ」ってなに?
「一緒に眠らないのデスカ?」
心底不思議そうにしている。
ええと、男女七歳にして同衾せず、という言葉がありましてですね……。って言っても通じないか。
「俺はこっちのソファでテレビ見ながら寝るからさ」
という言い訳は秒で粉砕された。
「それでは私も同じようにテレビを見ながら寝マス」
そうきたかー。
「うーん。でもベッドもソファも狭いし」
「私の実家に比べたらとても広いデス! 十分デス!」
むう。
「それに! くっついて寝たらきっと大丈夫デス!」
くっついてかあ……。
鼻息荒く主張するルゥさんはこれ以上折れてくれそうになかった。
しゃーない。明日、布団買いに行くとして、今日のところはルゥさんのプランを採用するしかねえか。譲る気はなさそうだし。
狭いシングルベッドの上。
「狭くない?」
「大丈夫デス」
背中に気配がある。いつぶりだろうかね。背中合わせに人肌を感じる、この感覚。
「浩一郎さん」
「はい、なんでしょう」
「私のこと、受け入れてくれて、ありがとうございマス」
許嫁としては心理的にも物理的にも受け入れるのは相当厳しいものがあるなあ、と思っているので大変に気まずい。
気が付けばルゥさんは背中合わせから、俺の背中に寄り添うような姿勢になっていた。
「おやすみなサイ」
「うん。おやすみ」
なんか色々当たってる気がするが、考えるな。寝ろ。相手は子供で俺は保護者だ。無心になれ。何も当たってない。当たるほど無いだろ!(大変失礼)
俺は無心になろうとして、全く無心になれなかった。悟りを開くって難しい。
仕事の疲れ&帰宅後のアレコレで脳が限界を超えたのか、いつの間にやら意識を失っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます