クリスマスの日に 作品紹介

クリスマスの日に 作品紹介その1

 



【作品紹介 クリスマスのお話について。】




今回こちらで公開を始めた作品たちは、とある創作イベントに参加して書き上げた、季節柄の短編小説となっています。



始まりは2006年のこと。

クリスマスをテーマにした創作物を持ち寄って、ウェブ上にアドヴェントカレンダーを作ろうという、すてきな企画を偶然見つけました。


12月1日から25日までのカレンダーの日付をひとつずつめくり、その下に隠されたおもちゃやお菓子を楽しみつつ、クリスマスの日が来るのを待つ。

そんなアドヴェントカレンダーのことを初めて知ったのが、その企画でした。


こんなすてきなものが、この世界にあったなんて!

と、ものすごくうれしくなった私は、思い切って参加を決めました。

ここにあるクリスマスにまつわる作品は、アドヴェントカレンダーのひとつになりませんかという、創作者を募る企画に参加したことで生まれたのです。



題して『アドカレンジャー』なる創作イベントに勇気を出して手を上げ、無事お仲間に入れてもらうことができました。

企画の内容は、12月1日から25日までの間で希望した日を担当し、その日に起こったことを物語やイラストにしたら、出来上がった作品は担当した日に公開するというものです。

公開日には共有していたカレンダーから貼られたリンクを通じて、それぞれの創作物を見て回ったりと、創作者同士の交流にもなっていたと思います。



そうして作り上げたものを、またこうして、披露しようと思い立ちました。

新しい場所で再び、クリスマスのために生まれた物語をクリスマスまでに公開することが出来て嬉しく思っています。

なにより、ひとりでこつこつと創作を続けてきた自分の作品が、本当に誰かの贈り物になれるのかもということが、とてもありがたいのです。



何度も修正を繰り返してきた拙い物語たちではありますが、作品を通じて、クリスマスの雰囲気を楽しんでいただければ幸いです。

私からの小さなクリスマスプレゼントだと思ってもらえたら嬉しいです。



それと『きせつの本のシリーズ』に収めたそれぞれの作品紹介と、あとがきも、こちらにまとめてみました。

クリスマスだけでなく、それに関連する七夕のものもあります。

蛇足ではありますが、ご興味ありましたら創作の裏側もお楽しみいただけると幸いです。






【クリスマスのお話の説明を。】


いつまでも、メリークリスマス!

暖炉の前に置かれた、

12月25日までの1か月のために作られた、1冊の本。




【全6作品のご紹介】


クリスマスは特別   2006.12月13日


ないしょだよ     2006.12月24日


いつものクリスマス  2006.12月25日


天の使い       2008.12月03日


おくりもの      2008.12月07日


スケッチブック    2008.12月08日





【作品の順番と構成について。】


題名の後ろの日付はイベント参加時の初公開日となっています。

創作を本格的に始めたばかりの、かなり昔の作品です。

ずいぶん前のものなので、それらを公開するにあたっては、その都度、修正を重ねています。

いくらか読みやすくなっているはずですが、おかしなところが見つかっても大目に見ていただければ幸いです。


各作品には発表時、自分で描いた挿絵を付けていました。

今回の公開でそれらの挿し絵に少し手を入れ、復活させています。

そのままのものもありますが、手描きのイラストは今はほとんど描かないので、その味わいも良いかなと思っています。

カクヨムでは挿し絵表示の機能がないため、近況ノートから別の場所へと向かっていただけるとありがたいです。





【読み方はお好きにどうぞ。】


クリスマスまでの物語たちは、一作ごとに別のお話になっています。

アドヴェントカレンダーにならって、日付が進むごとに一作品ずつ読んでも良し。まとめて一気読みしても良しとなっていますので、気になったものからご自由に開いてみてください。


共通の舞台や設定、作品をまたいで登場する人やものもあります。

どこから読んでも楽しめるようにはしたつもりです。

こちらに目を通しているということは、もうすでに全作品を読んでおられるかもしれませんが、はじめの3つを呼んでからだと後の3つと他の物語との繋がりが分かりやすいかと思います。





【クリスマスの12月に。】


さて、クリスマスにまつわる物語を作ることになったはじまり、ここに収められた作品たちがどうやって出来上がったかについては、すでにお話しましたね。

二次創作とも違う不思議な生まれ方をしたので、もう少し詳しく説明しておいたほうがいいかなと思って、詳細を書くことにしました。

少し長い話ですけど、お付き合いお願いします。



アドヴェントカレンダーに参加した作品には、前述にもあるように共通の設定がありました。


「時計塔がある街」

「不思議なことが集まる不思議な街」

「クリスマスの25日までの出来事」などです。


別の方の作品と同じ世界でいくのか、よく似た別の街であるのか。共通設定を使っていれば物語の舞台やその詳細を創作者が自由に空想することができて、作品に取り入れていいとなっていました。



参加者が掲示板に集まって、共通させる舞台設定を話し合ったり、お互いの作品にお互いのキャラを登場させてみたりと、楽しみ方も人それぞれです。

共同制作どころか、誰かと一緒になって作品を作り上げていくのは初めての体験で大変でしたが、とても楽しい日々でした。



そうしてクリスマスには、作者ごとに多種多様な雰囲気を持つ、いろいろな作品が出来上がりました。

参加者のみなさんに登場人物のキャラも個性的、お話の展開やジャンルも様々で、クリスマスにはすてきな作品がカレンダーに集い、企画は大成功だったと思います。

共通の設定を盛り込んだことで、出来上がった物語たちが緩やかに繋がった優しい世界に仕上がっていて、自分もみなさんの作品に触れた時、そこに自分の創り出したものがあることに不思議な感じをおぼえたものです。



自分の作品を創作する上では、共通設定が手がかりになりました。

25日までのそれぞれの日に気象やなにがしかの出来事などが割り振られていたので、それを元にして物語の展開を組み立てたりもしました。

『クリスマスは特別』で雪が暗くなってきてから降るところとか、その続編でまた雪が降る場面などは、それらの設定を元に考えたものだったと思います。

『天の使い』で時計塔の飾りがまだ済んでいないのとかも、そうですね。


『いつものクリスマス』では、25日の参加者たちは作品に特別な繋がりを持たせることが事前に決まっていたので、それをこっそりと仕込んでいました。

25日の担当者に順番が振ってあって、お話の最初のセリフを、前に担当した人の作品の、最後のセリフから引き取って書く。ということになっていたのです。

「なにもないんだからさ」が確かその引き継いだセリフで、「お茶にしませんか」を引き継いでもらったはずです。

初めての挑戦づくしで、そこまでたどり着くのにいっぱいいっぱいなっていたこともあって、ちょっと記憶があいまいになってます。前後の方のお話を覚えていられたら良かったのですけれど……。



こんな風に、クリスマスをテーマにどんな作品を創るかが、一番楽しくて大変なところでもありました。



しゃべる猫を登場させようと思ったのですが、共通設定の元になった創作者様の作品に、二足歩行で言葉を話す猫さんたちが出ていることを思い出し、うちのと区別するために説明文を加えてみたりと、工夫を重ねました。

挿絵をたくさん載せたかったけれど時間がなくて、小さなものを手描きしてなんとか間に合わせたりと、最後の最後まで修正と作業を重ね、ばたばたしていたのも思い出します。


毎日お話しの展開を考えてはメモを取っていた頃が懐かしいです。

登場する物の中には、昔々、子どもの自分が実際に作ったものを取り入れたりして結構遊ばせていただきました。

例のカモメのあれです。図画工作の時間に厚紙で作ったそれを不意に思い出し、からくりおもちゃ店が時計塔の街に生まれました。



イベントの準備そのものが、お祭りみたいでしたね。

不足分の作品を急に提出することになって、慌てて描いたものが別のお話しに繋がったり、次に参加した時のクリスマスには七夕の企画に参加した時の登場人物を連れ出して来て、時計塔の街のその後の物語を作ったりもしました。


ずっと緊張しっぱなし、公開に向けての作業で忙しく、交流などはほとんど出来ないままで終わりましたが、特に最初に参加した時は慣れないことばかりで大変でした。

25日までが本当に色々なことが次々とやってきて、毎夜遅くまで頭を抱えて、うなってました。



それでもやっぱりクリスマスを迎えるまでが、とても楽しみで、創作するのがただ楽しくて、毎日わくわくしていました。

思ってもいなかったことの連続だったこの期間自体が、その年のクリスマスの贈り物になっていたのだと思います。



今回は過去の作品をまた持ち出してきただけですが、それでも12月になる前から準備をしていたことで、クリスマスまでに何かをするというのも楽しいなと、わくわくする気持ちに再び出会うことができました。

また贈り物をもらいましたね。サンタさん、ありがとう。





次ページは、

クリスマスに関係している七夕の作品紹介と、あとがきです。


 

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