竹内、出会い系での恐怖体験・5(終)

涙と鼻水を拭き、トイレを出ると

風呂から上がった男がベッドに寝転がって某海賊アニメを見ていた。

「これ好き?」

「…いや、そんな好きでもないです」

「ふーん」

考えてみたら何故私は敬語のままなんだろう。

なんでこの人はタメ口になってるんだろう。

それよりも早く迎えに来てくれないかな。

そんな事が頭をぐるぐるしていた。


とにかく、ここから出たい。

それしか無かった。


サービスタイムの終了が来たらしく

男と私はエレベーターでフロントに向かった。


ら。


…警察来てた。


おいおいおいおい超展開過ぎん?!?!


「竹内さんですよね?」

「あ、はい、そうです」

「お話がありますので、ちょっと署までご同行願えますか」

「あの、すみません、もう大丈夫なんで、帰れるので」

それでも一歩も引かないポリスによって

私と男性はそれぞれ別々に連行されてしまった。

心配した親が警察に連絡してしまい

ご覧の有様になった訳なので

その男性には今でも本当にすまないと思う…。


その後、最寄りの大きな警察署に連れて行かれ

私は事の経緯を簡潔に話して

身分証明書の提示を求められた。

そこで障害者手帳を即座に出したのは物凄く失敗だったなと反省している。

明らかに相手が何も知らない障害者の私をだまくらかしてホテルに連れ込んだようなもんじゃないか

いや大体あってるわ

でもなんかお互いに気が悪いじゃないですか。

私が途中で気が付いて帰れば良かったんだし。

案の定、私はポリスウーマンに同情されてしまい(ほんとなんかすみませんでした)

もう二度と出会い系は使いません、という念書を書いてシャバに出ました。

そしたら親が迎えに来てくれました。

その車中でお前は悪くないよ的な事を言われたんですけど


いやここまでなったのあんたのせいもあるからな?!

私も相手も悪くないと思うけどポリス沙汰になったから相手に物凄い悪いと思ってるからな?!

橋本◯奈?!(言いたかっただけ)


と思ったのでした。


それと同時に


「出会い系は出会えるけど結局ヤリたいだけなんだな」


という事を肝に銘じたのでした。

現実は全然ハッピーじゃなかったよ!

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