第二話 強くなるために
剣城と舞と瑞希は再びゲームの世界に戻る事にする。
梨夢達から現在のAWORLシリーズの攻略方法を教えてもらったため、まずゲームに戻り現状を確かめて安全な所に行く事にする。
AWORLの世界に戻るとそこには信じられない光景がまっていた。
「嘘だろ……」
「なんで皆死んでんだよ……」
劍達が驚くのも仕方の無い事、劍達が戻った場所は劍達が最後にログアウトした場所であり劍達が神階達に殺されそうになった場所である。
その場所にはフェアリアの皓階ゴーティー、皓階シリウス、白階ポーラ、白階ゴディ、白階セロなどのフェアリア主力部隊とマテリアルの兵士がいるはずなのに1人もおらず大量の死体のみある。
その死体を
「なんで……なんで死んでるの……?」
「瑞希……」
「瑞希ちゃん……」
その場に瑞希が座り込みゴーティーの顔を眺める。
劍と舞はなぜこんな状況になっているのか分からないため、状況を確かめるために浮遊魔法を使い、全体を見ることにする。
浮遊魔法を使って空中に飛び全体を見るが周りには死体しかなく敵の気配はない。
だがあまりにも死体が多い。
マテリアルとフェアリアのほぼ全ての戦力が削られている。
「舞……マテリアルで生きてる階はいるか?」
「マルメーネとザァークは死んでしまったみたい、アルナはまだここには来ないし。王階ミミル様はあの神階が殺したって言ってたから残ってるのはもう黒階のカナメルだけ」
「黒階のカナメル……そいつはどこにいるんだ?」
「多分マテリアルの領地で防衛をしてると思う」
「今すぐマテリアルの領地に行くぞ。あの神階野郎が俺達の攻撃を防ぐためだけに前線で待機していたわけじゃないだろ……多分だが神階達全員でマテリアル、フェアリアを潰すつもりだ」
もちろん驚く舞だが、その方が納得がいく。
わざわざ前線に神階が行かなくてもいい、しかも神階1人だけで1つの階が全滅できる程の力を持っているのだから
こうして浮遊魔法を解除し
「劍、舞。私はこれからどんな時でも人を助けたいと思う、私一人の力だけで人が救えなかったら二人も協力して欲しい」
瑞希は真剣な目でこちらを見つめてくる。
相応な覚悟で決めたのだろう、SDSLシリーズでも大切な人を無くしその辛い出来事を乗り越えてなお、AWORLシリーズでも大切な仲間を無くしたのだから。
俺はもちろんこう答えた。
「当たり前じゃないか、だって俺とお前は仲間なんだからな」
人間とは1つの言葉だけで嬉しくなったり悲しくなったりする。
それは仕方の無い事でもある、なぜなら人は感情を持っているから。
それは無くすことも出来ないし生み出す事も出来ない。
それはゲームであってもそうだ、どんなに細かく設定された感情でも限界はある。
だからAIでは人間に勝てない。
それを今証明できたのかもしれない。
「瑞希、舞。今から大変になると思うがこの世界を救おう」
「当たり前じゃん」
「分かった!」
こうして劍と
移動するのには少し時間がかかったがなんとかマテリアルの領地に到着する。
マテリアルの魔階アリカスに到着すると魔階アリカスの街はほぼ全壊しており、住民は一人もいなかったのである。
「やっぱりか……王階も魔階もいなければこうも簡単に侵略されるのか」
「劍君どうするの?」
「とりあえず王階メルデルスまでいこう、そこに行ってから次の行動を考える」
再び浮遊魔法を使い、次は王階メルデルスまで行く事にする。
王階メルデルスにはさほど時間はかからなかったが魔階アリカスと同じ光景だった。
「まじかよ……」
神階の迅速な行動の速さと異常なまでの強さを実感した劍達は声もあまり出なかった。
これからどうすればいんだよ……
マテリアルはほぼ全部の階が破壊されており、もう住める所ではなかった。
もう無理なのか……
待てよ、マテリアルだけじゃない。
フェアリアもあるじゃないか……
フェアリアにはまだ王階が生きているはず、フェアリアは四つの階の中では鉄壁と呼ばれるほどの守りの強さを誇ってる。
なんとかもちこたえてくれよ……
こうして劍は瑞希にフェアリアの行き方を教えてもらい、フェアリアの領地に移動するのである。
「劍君、急な話なんだけど私達は神階の更に上の存在の大神を倒さないと行けないんだよね?私達の強さじゃ神階1人にも勝てないのにどうすればいんだろ……」
もしこれがゲームであれば人に頼らずに自分で考えろと言いたいがこれはゲームではなく本当の生と死の狭間のゲームである。
そのため反論は出来ない、もうマテリアルの人達はいない。
全力はかなり減り、神階達に勝つ確率もだいぶ減った。
「正直、俺も今はあんまり考えられてない。でも勝たないといけないんだったらとりあえずこの世界で使える疑の技ってやつを修得したい。まぁ、それもあるから今マテリアルとフェアリアの領地を行ってるんだがな」
「そうだったんだ……私も疑の技使いたいな……」
「2人だけ疑の技を修得するのはダメ、もちろん私も修得する」
二人もこの意見に賛成してくれたのか疑の技を修得する気があるようだ。
移動中のささないな話だがこういう話でも少しは落ち着いてしまうのはどうしてだろうな……
神階達に勝つためにはもっと力が必要だ。
だから早く自分にあった疑の技を早く探さないといけないし、炎の疑はこの前ある人に教えてもらった1度きりの技だからな。
今度は自分にしか出来ない技を修得しないとな
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