盟階編

第一話 話し合い

剣城、テリアルらは、魔階まかいアリカスでの戦いが終わり、現在のマテリアルの王階であるミミルが王階メルデルスで会議をすると言う事で、黒階以上のメンバーが全員、会議室に集まる事になる。

剣城達はすぐに魔階アリカスから王階メルデルスに移動し、会議室に入ろうとすると、


「貴様は、アルナの使いか?」

「あっ、そうですけど……」


つるぎの事について聞いてきたのは、草食系眼鏡男子のカナメルと言う男であった。


「私は、黒階こっかいのカナメルである。いくらあのアルナ様の使いと言えど、ここは黒階こっかい以上の者しか入れないとミミル様から言われているため通す事はできん」


カナメルがそう言うと舞は、カナメルに必死に頼む。

だが、カナメルはどうしてもダメと言い張る、そこへある女がやってくる。


「カナメル、劍を入れてあげろ。」

「アッアルナ様?なんでここにいるんですか!今は絶対安静のはずですよ!」

「そんな事は知っている、だからだ。会議があるのであれば私は参加できない、だから使いの劍を会議に参加させる。それでいいだろう」

「……それならいいでしょう。さぁ入りなさい。劍、テリアル」


アルナのおかげで会議室に入る事が出来たが、会議室に入るとその場は凍りついたように静かな空間だったのである。

そしてある1人の女性が剣城に話しかける。


「おい、そこの男……」

「おっ、俺ですか?」

「あぁそうだ。アルナの使いだと聞いたが、アルナは今大丈夫なのか?」

「はい、なんとか大丈夫ですが2日は安静にしないといけません」

「分かった。私は王階メルデルスの領主である王階のミミルだ、挨拶が遅れてすまぬな」

「いえ、そんな事は……」


別にどうでもいい事なので適当に流そうとした時、


「おい、貴様!ミミル様になんたる無礼、貴様は礼と言う者がなってないのか!」

「す、すいません!ザァーク様」

「俺に謝るな!ミミル様に謝れ!」

「まぁまぁ、落ち着いてくれザァーク」

「はい、ついかっとなりました……」



ミミル様優しっ!

ザァーク様は鬼かよ、なんだよ、そんな怒ることねぇーだろ!

まぁいいか


こうして俺は、アルナの座る席の所に座り、会議が始まる。


「皆、忙しいのに集まってくれてありがとう、さて今回の事件と神階について少し話をさせてもらおう」

「やっとか……」

「神階……」

「……」

「まず最初に今回の魔階アリカスの襲撃についてだ。インフェルスとは休戦協定を結んでいるはずだが、急遽いきなり攻撃をしてきた、これは私達との休戦協定を破ったと言う事になりこれから攻撃対象になる」

「当たり前だな、あいつら次会ったらぶち殺してやるよ」

「いけ好かない野郎だぜ!」

「だがな、インフェルスとは戦うのだが敵の戦力はかなり大きいものだ。今回アルナは敵の天階と光階にやられた、敵の天階は12人、光階は24人と圧倒的な人数差がある。普通にやっても勝てないだろう、だからフェアリアとの盟階めいかいを結ぼうと思う」

「盟階ですか!?」

「まぁ確かにフェアリアが1番手っ取り早いな……」


盟階めいかいとは同盟とほぼ意味は同じだが1回結んだ盟階は2年間は解除できない仕組みになっており、もし破ったのであれば死ぬのである。


「フェアリアは今、クルスフォードとの戦いをしているから援軍はあまり期待はできないだろう……だが少しでも援軍があった方がいいと思ってな。皆はどう思う?」

「俺は賛成です。戦力が増えるのならそれが一番」

「私もザァークと一緒です」

「うむ、もちろん僕はミミル様の意見に合わせます」


こうしてフェアリアとの盟階めいかいが決まったのである。


「皆ありがとう、そしてあと1つ、一番重要な話がある。神階についてだ、最近神階の大神がよくこの地上に現れているらしい。何かあるかも知れん、十分注意するように。あの者に勝てる者はおらん、何を言われても刃向かってはダメだぞ。話は以上だ、解散していいぞ」


会議が終わり、俺は会議室から出ようとした時、舞が話しかけてくる。


「剣城、そう言えば梨夢りむさんにゲームサーバーを破壊している人の事聞いたけど……」

「王階の中にはいない、俺はそのゲームサーバーを破壊したやつにあった、あいつは神階の大神になってる。かなり危険だ」

「会ったの?どんな話したの?」

「いや、重要な事はほとんど話してない。だがこの世界で戦えば一撃でやられるのは確かだな」

「そんなに強いの?」

「強いとかじゃないんだ……なんかこう、なんかなんかやばいんだよ」

「よく分かんないけど、劍がそこまで言うなら結構やばいね……」

「ってかよ、お前は現実で何歳なの?」

「いや、率直すぎでしょ!確かに劍は聞いてないから知らないのか……いいよ、教えてあげる。明日の昼に私の部屋に来て、どっか行きながら話すよ」


こうして舞と劍は次の日に遊ぶ約束をする。

劍は少し舞と話した後に、アルナの元に向かい、今日あった事を話す。


「中々難しい議題だったな。」

「確かに難しかったよ……」

「劍……色々と迷惑かけてごめんな……」

「急にどしたんだよ、元気だせって!アルナの元気ないとこ見たら俺も元気無くなるって!」

「うん……ほんとにありがと……劍が助けてくれないと死んでたよ……」


そう言いながら涙を流すアルナ

劍は少し戸惑いながらもベットに寝て泣いているアルナをそっと抱きしめる。

抱きしめられたアルナは、今まで誰にも弱みを見せた事がないらしく今までの分もずっと泣いた。


「泣ける分だけ泣けよ、アルナは今まで人一倍頑張って来たんだ」

「ありがと、ありがと、ありがとう……」








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る