第三話 主人公は最底辺の兵士となる

……ここは、どこなんだ……

俺は今どこにいるんだ……


真っ暗な暗闇の中にいる剣城の前に、白い何かが現れる。

そして、それと同時にある女の声がする。



貴方は、マテリアルのかいに転生します。

あなたの階級は下位の習階です。

名前を決めてください。



おいおい!

明らかに雑魚じゃねぇーかよ

これは、クリアとかの問題じゃねぇーな

生き残れないかもな……

名前は……



そうして、頭で思った事を機械が察知したのか分からないが、名前は、つるぎとなった。

こうしてゲームの中へと転生されるのである。


ここってどこなんだ……


意識が飛んだのか分からないが1人、草むらの中で横になっていた劍である。

状況がいまいち読み込めていないため周りを見るが、ずっと草むらのままである。


これってやばいんじゃねぇーの……

とりあえず歩いてどっか行こうかな


こうして劍は、寝転んでいる状態から体を起こし、草むらの所から出ようとする。

だが、立ち上がった瞬間に劍に向かって怒ったような声が飛ぶ。


「おい、そこの者!誰だ!」

「なっ、なんだよ……」


とっさに声を出してしまった劍は、周りを警戒し、腰にいかにも弱そうな木の剣が装備されていたので、それを出し攻撃態勢をとる。


「貴様は何故ここにいる?ここがどこだか分かっているのか?」

「どういう事だ?俺は今どこにいるか分からないんだ、出来れば教えてくれると嬉しい……」


劍がそう言うと、遠くから聞こえた声は、すぐ横で同じ声が聞こえる。


「貴様……あまり調子乗るな、殺すぞ」

「えっ……うわっ!」


驚いた劍は、草むらに腰をつき声のした方を見ると、それは金髪のロングの女であり、年齢は20歳くらいでとても可愛いくて、黒のごつい鎧を着ていた。


「もう一度問おう、貴様は何故ここにいる?ここは、マテリアルの上位、魔階しか出入り出来ない場所だぞ」

「マテリアルって……」


劍がマテリアルと呼ぶと女は不機嫌になり、剣を目の前に突き出してくる。


「貴様、私の問いに答えろ!さもないと串刺しにするぞ」

「待て待て……俺は……そうだ、俺はマテリアルの下位の習階しゅうかいだ」

「何?なら尚更、貴様は何をしている?」

「何をって?」

「私に向かって、その態度……そしてここは、さっきも言ったが魔階しかいてはならない場所だぞ」

「いや……それは理由が……」


女は聞く耳を持たず、劍にある事を言う。


「貴様はいい度胸をしているな、その度胸があるのであれば、私と対戦してもいい戦いをしそうだな」

「なっ、何を言ってるのですか?」

「急に礼儀正しくせんても良いのだぞ?」

「いや……」


女はよほど誰かと対戦がしたいのか劍に「対戦しろ!」と迫ってくる。

劍は呆れて了承するが、劍の剣は木で出来ている、それに対して女は真っ黒ないかにも強そうな剣を持っていて、鎧も向こうは着ているがこちらは無装備の状態である。


「私の名は、アルナと言う者だ……そして知ってるとは思うがマテリアルの上位、魔階としてこの地を守っている」

「何だよ……待てよ、確か魔階って……」


そう、魔階とはマテリアル、インフェルス、フェアリア、クルスフォードの4つの階の中で王階の次に強くて権力の強い階である。


勝てるわけねぇーじゃんかよ……

どうやって勝てって言うんだよ、だがやるしかねぇーのか……


覚悟を決めた劍は、剣を抜き攻撃態勢に入る。10年間、剣を握って来た事を思い出す。

そして、アルナの掛け声と共に対戦が始まる。


「こちらから行かせてもらうぞ!」


アルナが先に先行し、劍の腰付近まで一瞬で近づく。

劍は、反応すら出来ずアルナの剣が、劍の右腰に当たるすれすれの所で劍はアルナの場所を把握でき、劍も一瞬で剣を腰まで持っていき、ぎりぎりかわせたのである。


「貴様、この技を見切るとはな、正直この一撃で終わると思っていた……だが、それをやっとかわせる程度では、私には一生追いつかんぞ!」

「どういう事だ?」

「まぁすぐ分かるさ、それじゃ行くぞ、 二階にかい 暗黒沈静あんこくちんせい


アルナがそう言葉を発すると、劍が瞬きすると同時にアルナは消え、劍が周りを見渡すと誰もいない。

劍がもう1回、瞬きをすると目の前は真っ暗になり、静かにアルナが後ろから現れる。


「やはり、ここまでの者ではないか」


とアルナが言うと、アルナは剣を横に振ろうとしたがそれをやめ、劍を気絶させる事にする。


「これは……なん……」


こうして劍は倒れ、アルナの勝利となる。

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