第二話 神階

AWORLに入る30分前


「最初に言っておくがお前ら2人がどこに転生するかは、はっきり言って分からない」

「外部操作が出来ないっすからねぇー」

「まじかよ……」

「何となく分かっていたけどやばいわね。」


塔羽とうばは更に深刻な顔で梨夢りむの顔を見て頷き、口元を動かす。


少年つるぎ少女みずき、このAWORLは大きく分けて4つの階が存在するんだ。」

「4つの階?」


剣城は、訳が分からないため塔羽に聞く。


「4つの階ってのは、マテリアル、インフェルス、フェアリア、クルスフォードと言った4つの組織がある。その一つ一つの組織の事をかいって言うんだ。」

「で、そのかいがどうしたんだ?」

「私もその手のゲームに関しては、知識が浅はかだけど、簡単そうなゲームだと思うけど?」


剣城と瑞希は、そう言ってAWORLを少し舐めた感じでいたが次の言葉を聞いた瞬間に、2人は驚きを隠せなくなる。


「まぁそれだけ聞いたら簡単でしょうねー、じゃ例えをだそうかな、マテリアルってさっきも言ったけど……」


塔羽が言った事とは、マテリアル、インフェルス、フェアリア、クルスフォードには、更に細かい階があり、例えばマテリアルであれば、王階、魔階、黒階こっかい滅階めっかい暗階こくかい獄階ごくかい、という物があり、今のは1番偉い順から言ったものである。

そして、これは上位と言って強さが桁違いの階であり、下位は他のインフェルス、フェアリア、クルスフォード、も同じ名前である。

ちなみに上から順に下位を紹介すると、大階だいかい中階ちゅうかい小階しょうかい習階しゅうかい、となっている。


「そして、ここからが1番重要なんだよね、AWORLの外部操作が出来ないからゲーム内の事を見ることしか出来なくて今現在、新しく神階と言うのが設立されてるんだ。」


この神階と言うのは、4つのマテリアル、インフェルス、フェアリア、クルスフォードより上の存在であり、言わば神の存在と言う意味である。


「この神階がゲーム内に出来た事でゲームのクリア条件が変わった、クリア条件は4つの階の王階の中に転生した人がいて、4つの階での争いから勝ち抜いて、神階に行けば30人の人達はゲームにクリア出来るって事だ。」

「じゃ4つの階とも全員、転生して来た人って事か?」

「それが違うんだ、30人のうち、16人が4つの階の上位に転生するんだ、残りは雑魚兵士って感じ、そんで16人のうち王階になったのは1人だけだった。」

「1人って……」

「それは探すのも大変そうですね。」

「すまない、どこの階の王階かも分からないんだ。」


そう言って悔しそうにする塔羽だが、それをかばうようにして梨夢が言う。


「かなり無理ゲーなミッションだが、お前ならできると信じている、頼んだぞ……」


その真剣な梨夢の目は剣城と瑞希に強く心に刺さった。


「梨夢さん……」

「クリアして戻ってきますよ、だって私達は10年間もFg(SDSL)の中に居たんですからね!」

「あぁ、任せろ!必ずクリアして解決するぜ!」

「頼もしいな……」


そして、2人はカプセルの中に入り、Fg(AWORL)の中に入るのであった。


「マスター、この2人はクリア出来ると思いますか?」

「さっきも言ったが俺は出来ると信じてる。」

「ですよね、このゲームが終わったらSDSLの世界にもう1回行ってもらわないと行けないって……」

「それは、それで別の話だ……」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る