第6話 虹
見上げた空は灰色で重苦しくて
吐き出す息すら重たくなる
虹を待ち望んでいるんだ
低くしゃがみこむのが高くジャンプするコツなんだって
誰かが言っていたな
やり過ごしてしまった後なら何とだって言える
自分の身にひたひた迫る長い雨の予感にうつうつと気分が沈んでしまうんだ
晴れがあってもすぐ雲に閉ざされて
何も気にせずに手ぶらで晴れやかに外出できるのはいつ?
今はただもう虹が見たい
待ち望んでいるんだ
実際雨に降られてしまえば 濡れるか防ぐか閉じこもるしかなくて
そんなときは 何をしたって 雨は雨
あきらめる力も必要です とは 後ろ向きだろうか
どうして雨が降るのなんて言っても
誰のせいで雨が降ったのなんて言っても 無駄だから
だけど 今は虹が見たい
太陽の光だけでは見えない飛沫(しぶき)の向こうの七色の
虹が見たい
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