第7話 マイスリーを一錠飲んだ

マイスリーを一錠飲んだ

でも眠れない


目の前に吊り下げられたハンガーがくねくねと

人を小馬鹿にしたようにくねくねと

そこに掛けられた衣服も皺を広げたり窄めたり

まるで、笑ってるみたいだ

眠れない、私のことを


夏の宵はもう明けようとしている


このまま朝まで起きてるしかないのかな

憂鬱だ


最近は友達と陽気に過ごしたあと、いつも

落ち込んでる


泣きながら文章書いて過ごしてる


ああ なんでこうなったんだろ

こんなはずじゃなかったのに


マイスリーのおかげか気持ちは安定してるけど


やっぱりハンガーは蜘蛛の足のように蠢いてる


どうやら私は末期のようだ

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