第2話 世界の終わり
夢にくるまれて、みんな静かに眠っている
誰も起きてはこない 世界は終わってしまった
何度日がのぼっても
何度月がのぼっても
誰も起きてはこない 日付は意味をなくしてしまった
止まった時計
干からびた食べ物たち
埃まみれの部屋
静謐な眠りを守るロボット
起こさないで
僕たちはむなしい現実より夢を選んだ
愛しい人が生き続け
期待を裏切られることもない
願いは聞き届けられ
人々は夢の中にたゆたう
現実は意味をなくしてしまった
墓標のような眠り続ける人々の住まいの外を
虫たちが踊り
鳥達がさえずる
動物は群れをなし
魚たちは身を翻す
人々の眠りは破られない
彼ら彼女らが願う限り
幸せになりたい
その願いは聞き届けられた
安寧な夢の中それぞれの幸福を人々はかみ締める
世界は終わってしまった
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