閑話④ 「エルカのお料理タイム」
目の前には様々な食材がある。
ナラシンハを倒し、素材を売ったことでそこそこのお金が入ったので調達したのだ。
(これだけ…あれば、充分、です…)
夜中でも開いている店は案外多かったので、適当に買ったのだが。
エルカは何が作れるかを見極める。
あまり自分で作ったことはないが、自分だって女の子。いざという時に料理くらいできる筈。レシピもあるんだし。
(がんばる…です…!)
彼女に真っ先に目をつけられた可哀想な食物は、じゃがいももどきだった。
彼女は恐ろしい手捌きで瞬時にじゃがいももどきをバラバラにする。
なるほど確かに上手い。だからといって味も美味くなるかと言われれば違うのだが。
エルカは食材を完璧な手順で捌く。
次に彼女の歯牙にかけられたのは、肉もどきだ。
肉もどきも正しい手順、なおかつ素晴らしいスピードの処理。本当に料理経験が少ないのだろうか。
と、ここまでなら思うだろう。
ーーーーーここから始まるのだ。
(調味料…お好み、適当…?)
それはエルカが参考にしていた本の一文。
はて、奏介はどれくらいが好みなのか。
適当、というのはどの程度…?
真面目なエルカは悩みに悩んだ。しかし、すぐできると言った手前ぐだぐだ悩んでもいられない。
そして、エルカは結論に至る。
(塩分、とか…調味料は…取り過ぎ、良くない…かな…)
彼女は、適当に調味料を入れた。これで問題なく味付けも完了する……筈だった。
(ソースケ、なんて…いうかな…?)
そうして出来上がった料理は。
奏介によって、美味しく?頂かれた。
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