第8話 普遍的な芋煮の謎
夜更けの台所からこんばんは。
最近、Twitterのフォロワーさんが山形名物『芋煮』を作っていたのをTLで見かけました。
山形生まれの母ちゃん、その方が本場の味を知らないから食べに行きたいという旨のツイートをしてくださったことが嬉しくてたまりませんでした。
自分の生まれ故郷の料理を作ってくれた上に!
食べに行ってみたい!
誇らしいじゃありませんか!
その興奮さめやらず、早速芋煮を自分でも作って芋煮との再会を果たしました。
30年ほど前に北海道へ引っ越して以来、一度も食べていなかった芋煮。
母に電話で材料を確認し、食べたときの記憶を頼りに作ってみました。
口に入れると「あー! そうそう、こんなんだったわ!」と、思い出すもので。
山形ではよく芋煮会という芋煮をみんなで囲む機会があるのですが、そのときの雰囲気を思い出しました。
あの頃、芋煮は私にとってとてもありふれたものでした。あまりに普遍的すぎて食卓にあがると「なんだ、また芋煮かぁ」なんて罰当たりなことを思うほど。
北海道にいた頃は「なんだ、またジンギスカンかぁ」と思っていたし、群馬に住む今は「なんだ、また焼きまんじゅうかぁ」と思ってしまう。
人って、どうして慣れてしまうんでしょう。そのありがたみや素晴らしさが霞んでしまう対価はなんなんでしょう。
まぁ、お酒を飲むときにはそういう哲学的な気分になっても深く追求せず、疑問は疑問のまま、謎を楽しむタイプの母ちゃんでした。
だって、きっとわかるときに嫌でもわかる類の問いだと思うのですよ。
【深水家の芋煮の作り方】
材料は牛バラ肉薄切り、里芋、ねぎ、板こんにゃく、ごぼう。
バラ肉、ねぎは一口大に切ります。里芋は下茹でし、板こんにゃくはスプーンでえぐるようにちぎるべし。ごぼうはささがきし、お酢の入った水でアク抜きを。
鍋にだし汁、砂糖、醤油、酒を入れます。砂糖は少なめに。
牛バラ肉以外の材料をぶっこみ、里芋が煮えたら牛バラ肉を投入。肉はあまり煮すぎないのが柔らかく仕上げるコツだと、山形っ子の母が申しておりました。
肉に火が通ったらできあがり。
七味をふりかけて食べるのがおすすめです。
どうぞ召し上がれ。
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