第2話 伸るか反るかのサバの味噌煮

夜更けの台所からこんばんは。


本日の肴はサバの味噌煮です。

大学時代からの友人が「母が作るサバの味噌煮には梅干しが入っている」と言うんですよ。

えっ、味噌煮に梅干し⁉︎ と驚き、早速作ってみました。


いつもと何かが変わるだろうか? と、わくわくしましたが、肝心の違いは……わかりません。魚介類が苦手なのでそもそも味見ができないのを自分でも忘れていたのでした。どなたか試して教えてください……。


幼い頃から魚の匂いが苦手で、ほとんど食べられませんでした。大人になって少しずつ攻略し、今ではだいぶ食べられるものが増えましたが、煮魚はまだ受け付けません。


ところが、うちの夫は魚が大好き。

彼は晩御飯をとらず、21時頃に寝酒を兼ねた晩酌を始めます。肴は自分で用意したものと、私が作った肴の二皿。


夫はカツオのたたきや赤魚の粕漬けが大好物でかなりヘビロテしています。

一方、カツオも赤魚もダメ、粕漬けの匂いも苦手な妻は慣れるまでかなりの時間を要しました。


夫とは日常のあれこれが正反対。食や映画の好みも、休みの過ごし方もてんでバラバラ。


彼が好きで私が好きではないもの……魚介類、もつ鍋、カニ、テレビ、ウォーキング、パニック映画、エトセトラ、エトセトラ、エトセトラ!


私が好きで彼が好きではないもの……乳製品、クラシック音楽、雪、肉の脂身、ウイスキー、飛行機、エトセトラ、エトセトラ、エトセトラ!


食の好みが違うと大変じゃないかとよくきかれますが、あまり『大変』だと感じたことはありません。

まぁ、結婚するまで魚を焼いたこともなかったので、新婚の頃は魚料理のレシピのみならず「盛り付け 焼き魚 向き」とか「魚 どっちから焼く」なんて毎日のように検索してましたが。


肴に魚介類を用意した日は、私の好きな肴を別に用意します。外食はお互い好きな料理にすればいい。


ただ、困るのは『味見ができないこと』です。

イヤイヤ期男児2人、それも年子を抱え慌ただしい中で料理をしますから、材料はいちいち計量なんかしてられません。目分量で押し通します。どんな一皿に仕上がるかギャンブルです。


味見のない魚料理は伸るか反るかの大博打、味付け濃くてもご愛嬌!


でもね、一番の大博打は結婚かもしれません。

私が北海道から群馬に嫁ぐとき「夫婦は共通する好きなものが一つあれば大丈夫」と背中を押してくれた知人がいました。幸いにもお互い好きなものがあったおかげか、今も一つ屋根の下にいますけど……正直、好きなもの一つじゃ足りないで? と、しみじみ思う妻なのでした。



【深水家のサバの味噌煮の作り方】


サバは臭みをとるため、血合いを洗い、熱湯をかけます。今日は業務スーパーで買った冷凍サバを使用したので下処理なし。


サバの皮に切れ目を入れます。十字に入れてもいいし『///』といれたりします。まぁ、気分です。


鍋にだし汁、砂糖、醤油、味噌(半量)、酒、みりん、生姜を入れて煮たったらサバとネギを並べて落とし蓋。サバは皮目が上です。


少ししたら落とし蓋を外して味噌(半量)をもう一度加え、煮汁がトロッとするまで煮詰めてできあがり。


どうぞ召し上がれ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る