(ペンダント)

 リティアは街を歩き続け、美術館や博物館などの施設の前を通り過ぎた。中には入らなかったものの、歩きながら見ているだけで退屈せずにいられた。夕刻になったころ、リティアは最初にこの街に降り立った広場に再び立っていた。

 夕方の広場では建物が長い影を作っている。日が暮れるにつれ人々は一人二人と減りみなどこかへと行ってしまい、その場に残っているのはリティア一人になった。

 リティアは中心の噴水の周りを時計回りにゆっくりと歩いた。影の位置が変わり、噴水の周りを一周した。そしてリティアは足元に光るものを見つけた。

「これはなにかしら」

 かがみこんで手に取ってみると、それは首にかけるペンダントだった。

「誰のものかしら」きっと誰かが落としたものだろう。ペンダントをよく見ても、特に持ち主の痕跡がわかるようなものはない。これはどうしたらいいのだろう。

 リティアはペンダントを届け出ることにし、広場を離れた。リティアは道を行く人に、街の遺失物管理所の場所を教えてもらい、リティアはそこに向かった。

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